韓国の芸能事務所がどうやって男性アイドル、そして女性アイドルをスカウトし、育て、扱ってきたかを見ると大きな違いがあると感じます。私は過去の研究でもこのことを取り上げていますが、なぜ韓国ではより多くの女性アイドルの方が誕生しては消えていくかというと、これは韓国の何世紀にもわたる儒教に基づいた文化的、社会的な背景があると考えています。韓国には儒教文化が深く浸透しており、非常に厳しい年齢、そしてジェンダーのヒエラルキーがあります。
日本も同じだと思いますが、年下が当然のように年上を敬う文化です。ここにジェンダーを掛け合わせた場合、完全に上下関係ができ上がります。若い女性は社会システムにおいてはヒエラルキー上、最も下に位置します。芸能事務所が若い女性をリクルートするのは難しくありません。抵抗をされることもないでしょう。
大手芸能事務所の意思決定層はほぼすべて中年男性が占めています。つまり、韓国の芸能システムには見えないレイヤーが存在するわけです。芸能事務所のトップの中年男性は、韓国社会のヒエラルキーにおいても上位に位置します。
そして、ティーンエイジャー、あるいはそれより若い女性は韓国社会のヒエラルキーにおいては下位にあるため、事務所にとっては、彼女たちは非常に「扱いやすい存在」なわけです。
男女間の給与ギャップはいまだに大きい
製造業が主力産業だった時代にも同様の構図がありました。1960年代から1980年代を見ると、多くの労働者は地方出身の10代の女性でした。彼女たちは教育を諦めて、家族を養うために働いていました。家族の中で男性たちは教育を受けられたのに、韓国社女性たちは犠牲にならなければならなかったのです。統計によると、製造業の労働者の70%は10代の女性でした。
若い女性たちの問題は、彼女たちは韓国社会においてマネジメント層より下に位置している、と認識してしまいがちなことだ。自分たちの仕事や、その仕事の公平な対価について上層部に聞きにくい状況にある。若い女性たちが仕事に値する給料を得ていないことも少なくない。
今日の韓国社会においてですら、男女間の給与ギャップは大きく、女性労働者は男性労働者の75%の給与しか支払われていません。1990年代、韓国経済は製造業のおかげで大きく成長したが、韓国女性たちを"搾取"することによって成り立っていたわけです。韓国政府は地方の女性という安い労働力を得て、それによって経済成長を実現してきたのです。
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