ロコ・ソラーレ「ナイスー」だけでない圧倒的魅力 日本人が五輪カーリングにこんなにもハマる理由

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そして、もう1つ私たちがロコ・ソラーレに魅了される理由として欠かせないのが、彼女たちの戦いぶり。彼女たちの試合は、そのキャラクターに負けず愛嬌たっぷりなのです。

初戦のスウェーデン戦は平昌オリンピック金メダルチーム相手に、序盤は3-1とリードして人々の期待感をふくらませたあと、中盤に大量失点して完敗。第2戦は強豪・カナダ相手に、中盤連続スチール(不利な先攻のチームが得点すること)して接戦を制しました。

第3戦はデンマーク相手に最終10エンドまで2点リードを許す絶体絶命の状態から、藤澤選手のラストショットで3点を取るドラマティックな大逆転勝利。世界ランク下位で絶対に勝っておきたい相手だったこともあり、視聴者をハラハラドキドキさせました。

「応援せずにはいられない」という気持ちにさせられる

続く第4戦も、ここまで3連敗と絶不調のROCが相手でしたが、難解なアイスに悩まされ、残り4エンドまで3点リードされる敗色濃厚の展開。しかし、そこから4エンド連続得点で、再び劇的な逆転勝利を収めました。

第5戦の中国戦と第6戦の韓国戦は、アジア隣国相手のダブルヘッダー。中国には相手のミスもあって今大会唯一の大勝を収めたものの、韓国には序盤から大きくリードを許す展開で大敗を喫してしまいました。さらに第7戦もイギリス相手に序盤からミスを重ねて韓国戦を上回る大敗。

崖っぷちに立たされた第8戦はアメリカ相手に楽勝ムード一転、4点差を追いつかれる苦しい展開ながら、何とか振り切って勝利。最後の第9戦は世界王者でリーグ首位のスイス相手に序盤からミスを続けて完敗でした。

勝敗は9戦5勝4敗と勝ち越しているものの、「勝った試合は終盤まで同点かビハインドのハラハラドキドキで、負ける試合はあっさり大敗する」という傾向がはっきりと表れているのです。そんなギリギリの戦いぶりは彼女たちの強さともろさ、笑顔と涙を際立たせていて、「応援せずにはいられない」という気持ちにさせられてしまうのではないでしょうか。

さらに、準決勝進出への勝ち上がり方も、実にロコ・ソラーレらしい愛すべきものでした。前述したように、ロコ・ソラーレの選手たちはスイスに負けて「準決勝進出の可能性がなくなった」と思い込み、涙を流していたところ、スウェーデンが韓国に勝ったことで状況が一変。ちなみに平昌オリンピックのときも、日本は第9戦でスイスに大敗を喫したものの、スウェーデンがアメリカに勝ったことで準決勝進出が決まりました。

「すでに進出が決まっているスウェーデンが本気で戦ってライバル国を倒してくれる」というミラクルが2大会連続で起きたことも、彼女たちの持つ魅力であり、実力のようにも見えるのです。

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