ロコ・ソラーレ「ナイスー」だけでない圧倒的魅力 日本人が五輪カーリングにこんなにもハマる理由

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多くの人々がロコ・ソラーレに惹かれるきっかけになったのは、「チームメートというより、友だちグループに近い」と思わせる楽しげなムードでしょう。実際、平昌オリンピックのときは多くの人々から、「女子会みたいで癒やされる」などの声があがっていました。彼女たちは試合中、常に目と目を合わせるようにして言葉を交わし、笑顔で互いのプレーを称え合い、休憩時間の“もぐもぐタイム”も楽しそうに見えます。

ただ実際は「楽しい」というより、終始プレーのことを考えていて、ウエイト(ストーンのスピード)や曲がり幅などの情報共有を行い続け、そのうえで複数の選択肢を持ちながら、戦略を選択。他国の試合を見ても、ロコ・ソラーレほど活発にコミュニケーションを取っているチームはいませんし、ある選手が「チームメートにプレーの選択肢や賛同を呼びかけても、すぐに返事が返ってこない」というケースをよく見かけるくらいです。

涙を流す仲間を優しく包み込む愛情

ここまでロコ・ソラーレを見続けてきて、今大会の中でも印象的だったのはROC戦でした。極度の不調に悩まされた鈴木夕湖選手は試合終了後に涙を流し、それを見た吉田知那美選手はもらい泣き。吉田夕梨花選手は鈴木選手を優しく抱き締め、藤澤五月選手も背中をさするシーンが視聴者の感動を誘いました。

さらに直後のインタビューで鈴木選手が、「ショットが決まらなくて……本当につらかったですけど、みんなが助けてくれて感謝したいです」と語った一方、吉田夕梨花選手は「試合に勝ったというよりは、アイスに勝ったというか、今までで一番難しかった」、吉田知那美選手も「つかみどころのないアイスでしたね。気合で押し切りました」と鈴木選手をフォロー。

最後に藤澤選手が、「夕湖のショット率がそんなに良くなかったんですけど。でもそれがあったからこそ、知那(美)だったり、私だったりのショットがつながって決め切れました。私以外の3人がたくさんスイープしてくれて、ショットを決めてくれた。チーム全員で勝ち取った勝利だなと思います」と愛情あふれる言葉で締めくくりました。このようなチームメートへの愛情に嘘を感じさせない言動も、私たちを惹きつけているのではないでしょうか。

次ページチーム全員で戦略を考え、話し合いを重ねるような一体感
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