ロコ・ソラーレ「ナイスー」だけでない圧倒的魅力 日本人が五輪カーリングにこんなにもハマる理由
ロコ・ソラーレの魅力を語るうえで、最後にふれておきたいのは、カーリングというスポーツが持つエンタメ性の高さ。
なぜカーリングは盛り上がるのか
カーリングは他の団体競技とは異なり、日本代表チームは選手ではなくチームそのものが選抜されています。この事実から、「いかにチームワークやコミュニケーションが重要なスポーツであるか」がわかるでしょう。しかも中継では、マイクを通して選手たちが交わす声を聞けるため、他の団体競技よりもチームワークやコミュニケーションの素晴らしさを感じることができるのです。
たとえば、フィギュアスケート、ショートトラック、ノルディック複合、スキージャンプなどの団体戦は、個人のパフォーマンスを足し算して競うような形が多いのですが、カーリングは真逆のスタンス。「一投一投に4人全員が関わり、力を合わせて行う」という類いまれな団体競技なのです。プレーやボールに関わらない待機状態の人がいる野球やサッカーなどと比べても、全員が常に関与し、全員の力を結集しなければ勝てないスポーツであることがわかるのではないでしょうか。
もちろん最後の一投まで勝負がわからないスリリングな展開や、「氷上のチェス」と言われる多彩な戦略は魅力の1つですが、“オリンピック中継”という観点で見たときに特筆すべきは、連日にわたる試合数の多さ。夏季オリンピックを合わせても、これだけ毎日試合を楽しめる競技はなく、試合数を重ねるほど応援の熱が高くなっていきやすいところがあります。
また、「冬季オリンピックは競技ごとに『この地域が強い』という傾向がはっきり出やすい」と言われていますが、カーリングは欧州、北米、アジアと各大陸に強豪がそろっていることも盛り上がりにつながっている理由の1つ。特に日本人の私たちから見たら、「平均身長約153cmの小柄なロコ・ソラーレが、大柄な欧米の選手に勝つ痛快なシーンが見られる」という意味でも魅力を感じやすいスポーツなのです。
残り2試合、ロコ・ソラーレの奮闘を見た日本中の人々は、メダルの有無や種類にかかわらず、カーリングというスポーツをもっと好きになっているのではないでしょうか。
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