羽生結弦が緊急会見で怖さや言い訳を口にした訳 成功者だからこそ必要だった「9歳の自分」

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人前で怖さや言い訳をさらけ出しつつ、ベストを尽くせたことには胸を張ろうとする。アスリートに限らずこのように率直なビジネスパーソンが近くにいたら、応援したくなってしまうのではないでしょうか。たとえば、どんなにスキルがある人でも、本当に達成困難な目標に向かっているときは、怖さを感じるのが当然であり、うまくいかなかったときは言い訳をしたくなるもの。また、ベストを尽くせたからこそ、怖さや言い訳をさらけ出す姿が感動を呼ぶのです。

成功者ほど原点に戻るべき時期

さらに今後のモチベーションについて聞かれた羽生選手は、「正直今まで『4回転アクセルを飛びたい』と目指していた理由は、僕の心の中に“9歳の自分”がいて、あいつが『飛べ』ってずっと言ってたんですよ。ずっと『お前下手くそだな』って言われながら練習していて。でも今回のアクセルは何かほめてもらえたんですよね。『一緒に跳んだ』というか」と語りはじめました。

これは「“9歳の自分”をコーチ役に見立てて練習を重ねていた」という意味ではないでしょうか。オリンピック連覇した達成感とモチベーション、期待感とプレッシャーなどの問題と向き合わなければいけない羽生選手にとって、スケートを心から楽しみ、純粋に「うまくなりたい」と思っていた“9歳の自分”と向き合うことは楽ではなかったでしょう。

しかし羽生選手は、「ほとんど気づかないと思うんですけど、実は9歳のときと同じフォームなんですよ。ちょっと大きくなっただけで。だから一緒に飛んだんですよね。それが『自分らしいな』と思ったし、何より4回転アクセルをずっと探していたときに、最終的に技術的にたどり着いたのがあのときのアクセルだったんです。(中略)そういう意味では『羽生結弦のアクセルとしてはこれだったんだ』と納得できているんです」と穏やかに話し続けました。

心のままに行動していた9歳の自分を採り入れたことで、結果とは別の納得感を得られた様子をわかりやすく言語化していたのです。この「9歳の自分」というフレーズを聞いて、2014年にサッカーの本田圭佑選手が語った「私の中の“リトルホンダ”に『どこのクラブでプレーしたいんだ?』と聞いたら『ACミランだ』と答えた」というフレーズを思い出した人が多かったのではないでしょうか。

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