羽生結弦が緊急会見で怖さや言い訳を口にした訳 成功者だからこそ必要だった「9歳の自分」
2人の思考回路は似ているように見えますが、この方法の有効性はトップアスリートに限りません。ビジネスパーソンも同様であり、羽生選手が語る「9歳の自分」は、「成功者ほど原点に戻らなければいけないときがある」という真理に気づかせてくれる言葉だったのでしょう。
回答の最初と最後に「ありがとう」
今回の会見で、もう1つ印象深かったのは、海外メディアの質問に対する受け答え。
まず中国メディアからの質問に対して羽生選手は、「2万件のメッセージや手紙をいただいたりとか、中国のボランティアやファンの方々が歓迎してくださっているのを凄く感じていて。そういう中で演技をするのって『本当に幸せだな』と感じながら今回は滑りました。何か本当に『そんなスケーター、そんな簡単にいないな』って思いますし、『羽生結弦でよかったな』って思いました」と語りました。
次に別の海外メディアから「自分の中のゴールは何か」を尋ねられた羽生選手は、「『4回転半を降りたい』という気持ちは少なからずあって、それとともに『自分のプログラムを完成させたいな』という気持ちはあります。ただ先ほども言ったように『自分のアクセルは完成しちゃったんじゃないかな』という自分もいるので。これから先、フィギュアスケートをやっていくとして、『どういう演技を目指したいか』とか、『どういうふうにみなさんに見ていただきたいか』とかいろいろなことを今考えています」とコメント。
さらに「まだ次のオリンピックとかどこでやるのかなとか把握できていない自分がいますし、正直混乱しているんですけど、でもこれからも『羽生結弦として、羽生結弦が大好きなフィギュアスケートを大切にしながら極めていけたらいいな』と思っています」と今後について言及しました。
「羽生結弦」という名前を連呼したことを筆頭に、羽生選手が日本のメディアと同等以上に、感謝の思いやリップサービスの意味合いを込めて話しているように見えたのです。これは羽生選手が国内外のメディアに差をつけているのではなく、ふだん交流の機会がめったにない分、よりしっかり思いを伝えたいという気持ちが潜在的にあったのではないでしょうか。
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