フェミニズムが一気に「爆発」した韓国特有の理由 日本より#MeTooが盛り上がったのはなぜなのか

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金大中政権に続いて、進歩政権の盧武鉉大統領時代には、「国政10大課題」に「戸主制度廃止」が盛り込まれた。そして、2005年、ついに、「戸主制度」が廃止が決定された。「戸主制度廃止」運動が始まってから50年後のことだったという。

こうしてフェミニズム運動が少しずつ実を結び始める一方で、男性からのバックラッシュはむくむくと膨らみ始め、ネットでは女性を卑下するような造語が見られるようになる。

2006年には、自身の所得水準に見合わない消費を繰り返す女性を卑下した「ミソ女」という言葉が男性中心のネットコミュニティサイトから広がり、2010年には、やはり贅沢な暮らしをする女性を指して「キムチ女」という造語がネットで広がった。ただ、この時まではネットの一部の人が騒いでいるものと見なされていた。

女性への「架空バッシング」止まらず

それが、一般の女性にも「フェミニズム」が意識されるきっかけとなったのが、2015年に起きた感染症「MERS(マーズ=中東呼吸器症候群)」である。この時、ネットでは、「MERS」を韓国に持ち込んだのは香港旅行から帰国した20代の女性ふたりというフェイクニュースが拡散した。

実際は60代の中東帰りの男性が第一感染者だったが、架空の女性へのバッシングは止まず、30代の女性看護師はこの時からフェミニズム関連の書籍を手にし、勉強するようになったと話す。

「女性嫌悪? 女は虫けら? という書き込みがネットの普通のコミュニティサイトでも見られるようになって、これは何? 一体何が起きているの? とびっくりしてしまって。そこからいろいろフェミニズム関連の本を読んだり、集まりに出かけたりして、これがフェミニズムに関心を持つきっかけになりました」

この時、韓国には大小の新たなフェミニズム団体ができている。 

その翌年2016年5月には、一般の女性たちが「もう黙ってはいられない」と声を挙げ始めるきっかけとなった「江南駅殺人事件」が起きた。

女性を狙った殺人事件はそれまでも数多く起きていたが、この事件が多くの女性を揺り動かしたのは、「身近な街だったため」と前出のナ教授は指摘する。

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