とにかく勝ちにこだわる人の視野が狭くなる理由 セレンディピティに恵まれる人の人生の捉え方

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このような認識は、ビジネス交渉のような場面で特に重要だ。たとえば新しい仕事に就こうとしている、あるいは初めて家を購入しようとしているとき、双方が納得できる落としどころを見つけるためには、たいてい思いもよらない点と点を結びつける必要がある。

ただそうした場面にとどまらず、後から振り返って点と点を結びつけてみると、仕事上の経歴からパートナーとの出会いまで、予想外の要因が人生のかなりの部分を形づくっていることがわかるだろう。

私たちにはそれぞれの「ふつう」、すなわち世界に対する偏った視点がある。それぞれの考える「起こるべきこと」だ。

このバイアスがあるために、「予想していたこと」ばかりが目に入るようになる。では「予想」の範囲を広げられたらどうだろう。すると徐々に点と点のつながりが見えてきて、起こりそうもないことはつねに身のまわりで起きており、それを活用するかどうかは自分次第であることに気づくだろう。

これはセレンディピティ・マインドセットを身につけるうえで核心となる部分だ。

予想外の「良いこと」を待ち受けてみる

改めて考えてみると、私たちは日々予想外の事態が起こらないか気をつけている。たいていは身を守るためだ。

交通量の多い道で横断歩道を渡るときには、赤信号になれば車は停止すると予想する。それでも絶対とは言い切れない。ときには赤信号になっても止まらない運転手もいる。

だから信号が変わって横断歩道に踏み出すときは、目の端で車が止まったことを確認する。こういうとき視野は通常より広くなり、予想外の動きをとらえようとする。

そうしなければ命を落とすことになるかもしれないからだ。

だが、同じアプローチをもっと前向きな形で使えないだろうか。つねに視野を広げ、起こるかもしれない予想外の良いことや有益なことを待ち受けるのだ。

クリスチャン・ブッシュ サンドボックス・ネットワーク共同創設者

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Christian Busch

ニューヨーク大学(NYU)とロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)で、パーパス・ドリブン・リーダーシップ、イノベーション、アントレプレナーシップを教える。LSEでイノベーション・アンド・コクリエーション・ラボの共同ディレクターとコースリーダーを務めたのち、NYUではセンター・フォー・グローバル・アフェアーズ(CGA)のグローバル・エコノミー・プログラムのディレクターを務める。LSEにて博士号(Ph.D.)取得。20カ国以上で活動する若手イノベーターのコミュニティであるサンドボックス・ネットワーク、強い影響力を持つリーダーの集まりであるリーダーズ・オン・パーパスの共同創設者。

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