定年後「急に老ける人」と「若々しい人」決定的な差 定年後に備えて50代のうちにしておくべきこと
多くの男性が陥る「居場所がない症候群」
「定年後になって初めて、『居場所がある』ことの重要性に気づいた」。会社員として勤め上げて定年を迎えた人から、このような話をよく聞きます。「予定があることがいかに幸せか」。このような声もよく聞きます。「予定がないことは拷問のように辛い」と言う人すらいます。
離れてみて初めて、会社というコミュニティに所属していることの重要性に気づいたということでしょう。
ちなみにこうした悩みは、女性からはほとんど聞いたことがありません。おそらく女性は職場以外にも友人や地域、趣味のコミュニティに属していることが多いため、仕事を離れても「居場所がなくなる」ということがあまりないからだと思います。
「出世街道をひた走ってきた人より、そこから早期に脱落した人のほうが、幸せな定年後を過ごしていることが多い」というのは不思議なことではありません。おそらくその原因の1つはコミュニティだと思われます。
というのも、会社から期待されずに時間ができた50代は、定年前から外部にコミュニティを求めるケースが多いからです。そして、妙なプライドを持った「出世組」に比べ、そうしたしがらみから解放されている「非出世組」のほうが、人間的に愛されてコミュニティに溶け込みやすいという側面もありそうです。そう考えると、定年後に急に「コミュニティ探し」をするより、50代のうちに別のコミュニティに属しておく必要があると言えるでしょう。
さらに言えば、そのコミュニティも1つだけではなく、できれば5つくらいのコミュニティの一員であるのが理想です。
しかも、それぞれのコミュニティで「違ったキャラクター」を演じることが重要です。会社というコミュニティでは「厳格な上司」であったとしても、趣味のテニスのコミュニティでは「素直に教えを請う初心者」、地域のコミュニティでは「気軽に冗談を言う明るい人」などです。心理学者の植木理恵さんによれば、こうして複数の「ペルソナ」(仮面)を使い分けることは、心の健康のためにも必要なことだということです。
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