定年後「急に老ける人」と「若々しい人」決定的な差 定年後に備えて50代のうちにしておくべきこと

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しかし、実際には自分でコミュニティを作ってしまってもいいわけですし、実際、そうしている人も大勢います。さらに言えば、いつのまにかコミュニティが自然発生してしまう場合も少なくありません。

メーカーに勤務していたDさんはあるテニスのコミュニティに入っているのですが、そのテニスのコミュニティができたきっかけは非常にユニークなものでした。

Dさんが住んでいる市では、テニスコートの人気が高く、ほぼネット抽選になるそうです。そのため、抽選で当たった人同士がネットで「一緒にやりませんか」と相手を探し合うようになり、そこから自然発生的にテニスコミュニティが成立していったそうです。こういうコミュニティのあり方もあるのかと思った次第です。

さて、このDさんはテニスだけでなく囲碁のコミュニティにも入っており、それだけ聞くととても社交的な人物だと思われがちです。ただ、実際に会ってみるとごく普通というか、むしろ内向的な性格で、率先して何かを始めるようなタイプの人では決してないのです。私はそんなDさんのあり方に、「定年後のコミュニティ活動をうまくやっていくコツ」があるように思います。

私たちはついついコミュニティというと、人を引きつけるエネルギーを持ったリーダーがいて、そのコミュニティを運営しているように思いがちです。いわゆる「オンラインサロン」のようなあり方をイメージするのですね。

ただ、「同じ興味や趣味でつながる集団」というのは、実はそういう類いのものではありません。「高い実績を上げよう」とか、「テニスで全国大会に出よう」とかいう明確な目標を持つようなコミュニティは少なく(ないわけではありませんが)、「楽しくやれればいい」という人がほとんど。むしろ、「仕切りたがり屋」がいることを好ましく思わない人も多いのです。

「ゆるいコミュニティ感覚」に慣れておこう

「会社人生の常識から抜け出せない人」がやりがちなのは、ここで無用なリーダーシップを発揮したり、「そのコミュニティで一番になりたい」とマウンティングを始める、といったことです。何度も言っているように、出世街道をひた走ってきた人ほどこうしたワナに陥りがちです。そして、いつのまにか周囲から疎まれて、コミュニティから追い出されてしまうのです。

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こうした「ゆるいコミュニティの感覚」をぜひ、50代のうちから培っておいてほしいと思います。そして自分は「出世街道をひた走っている」という自覚がある人もぜひ、それとは別のペルソナを持つために、50代でなんらかの「趣味や興味でつながっているコミュニティ」に入ってみてもらいたいと思います。

「勝ち負け」にひたすらこだわるのが会社人生です。だからこそ、「勝ち負け」にまったくこだわらないもう1つの世界を持っておくこと。それが、厳しい競争社会を生き抜くための支えとなってくれるかもしれません。

大塚 寿 エマメイコーポレーション代表取締役

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おおつか ひさし / Hisashi Otsuka

1962年、群馬県生まれ。株式会社リクルートを経て、アメリカ国際経営大学院(サンダーバード校)でMBAを取得。挫折の多かった10代、「もっとやれるはずだ」という想いと現実とのギャップに悶々とした20代を過ごした。なんとか現状を変えようと、リクルートの営業マンという立場から、社内外の大手企業・中小企業の管理職や経営者1万人以上にアドバイスを求めるが、その中でも40代を後悔している人が特に多いことを発見。その轍を踏まないように準備し、40代で自己実現を果たす。歴史上の成功者よりも、身近な市井の人の成功・失敗に学ぶことの合理性を痛感している。

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