「将来に漠然とした不安を持つ人」がまずすべき事 問題の本質を具体化すれば解決策は見つかる

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不安や不満が漠然とし続けている限りは何も変えることはできません。
結局のところ、冒頭で申し上げた通り、行動を通じて結果につなげるためには、「その夢に対して自分はどれだけ真剣か?」、「自分は本当に変わりたいのか?」が問われるのです。

真剣であれば「何が問題なのか」をとことん考え、漠然としたまま放置することはないはずです。具体化したことや、現状の自分自身の置かれた立場や状況を踏まえ、自分にとって現実的な選択肢を絞り込んでいけば、具体的な課題解決としての行動につながるはずです。

要は、自分にとって生きるうえでの優先順位や、職業上の優先順位を明確化し、最も有効と思われる手段に注力していくべく自分を追い込む、ということです。

まずはやるべきことを具体化する

ですから、まずKTさんとしても漠然とした不安や不満の正体を探り、やるべきことをどんどん具体化することが求められます。もちろん、その過程でご自身が抱えている障害を考慮することや、今までのキャリアで積んできた経験やスキルを棚卸しする作業も必要です。

それでも、ご自身の抱える不満の正体がわかれば、その解決のための道筋は見えてくるはずですから、努力しがいがあるというものでしょう。

そうすることで、例えば、頂戴した相談のように「履歴書をきれいにするために今の職場にいる」という漠然とした行動も、「将来●●するために、今の職場で●●を得るまで働く」というように、具体的な目標や努力の方向性に変わるはずです。

その結果、今後の3年間の中身は大きく変わってきます。

目的意識がある3年間(3年間である必要はもちろんありませんが)なのか否かは、履歴書の見てくれではなく、KTさんが本当に職業人として成長できるか否かに大きな違いをもたらします。

もっとも、ここで回答したことはあくまでもたとえですから、あとはこれを参考にKTさん自身の問題意識の具体化と、具体的な解決に向けた行動計画を作っていってほしいと思います。

KTさんが、今以上により自身の人生と仕事の目標に対して真剣になり、しかるべき人生の目標に向かって、正しい努力と工夫の一歩を踏み出すであろうことを応援しております。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

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やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

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