どうしてそうなっているのか僕はよく知らないが、大学はこういったことに関して、ずいぶん自由放任な感じだ。想像するに、たとえば経済学ひとつとってみても、アプローチはいろいろであり(僕のように紙と鉛筆中心の理論家もいれば、大規模な計算を行う実証研究家もいる、はたまたラボ実験をしてそのデータを統計処理する同僚もいる)、必要な環境もけっこう違っていることが、影響しているのだろう。
もちろん今の時代はどのOSを使っても大抵のことはできるはずだが、統計処理ソフトなどでマニアックなものを使う場合、特定のOSにしか対応していないなんてこともあるらしい。
余談だが、少し前に、理研ではパソコンの購入が一括でされていないので、財務省から改善要請が出たというニュースを聞いた。公的機関では、ある程度、大口の購入は一括でやらねばならないというルールがあるため、それに引っかかる、という話だったらしい。まあいろいろ事情はあるのだろうが、僕の感覚からすると、研究者全部に同じものを購入させるというのは無理がありそうだなと思った。僕は理研のことを何も知らないから、本当に問題があったのかどうかは、知る由もないのだけれど。
Windows versus Mac at Stanford

僕はMacを使っている。初めて買ったパソコンはソニーのVaio、次はIBMのThinkpad。そういえば今年になってVaioはソニーから独立したし、Thinkpadはレノボになってからずいぶん経った。時代の移り変わりを感じる。
周りにも、Macを使っている同僚が多い。最近でこそMacのシェアが増えていると聞くけれど、一般的にはそれほど浸透しているとは言えなかったMacの愛好家が、学者連中ではずいぶん多い。ちょっと不思議に思っている。
※個人的にはMac信者だから「Mac最高!」なんて思ってますが、それじゃあ説明にならないだろう……。
パロアルト市というスタンフォードの立地にも意味が?
わが校に限定して言うと、スタンフォードはアップルとちょっと関係が深いから、それが関係ないわけではないのかもしれない。たとえばスティーブ・ジョブズの妻のローリーン・パウエル・ジョブズ氏は、わが校の理事会(Board of directors)にいるらしい。そのせいというわけではないのだろうけど(違うよね?)、大学にあるパソコンショップではMacコーナーが圧倒的にデカイ。スタンフォードのあるパロアルト市にはアップルストアの旗艦店もある。
とはいえ、シリコンバレーという土地柄、ほかの会社もたくさんあるし、この説明はあまり筋がよくないような気がする。それにスタンフォードのみならず、学者仲間にはMacユーザーが多いが、その説明にもなっていない。
もうちょっとマシな理由としては、Wordやパワポ(Powerpoint)などのMicrosoft Office系のアプリを使わない人が多いせいかもしれない(エクセルはもうちょっと広く使われている気がする)。これは分野によっても違うのだけれども、たとえば経済学の場合には論文を書くときにWordを使う人は少ない。僕らは何らかの数式を使って論文を書く場合が多いのだけど、Wordをはじめとする通常のワープロソフトは数式を書くのに適していないことが多いのだ。
そのため数式を書くのに適したlatexというソフトを使ったりするが、これはWindowsでなくても動く(個人的には、Mac用のソフトのほうが使い勝手がよい気がする)。
※正確にはlatexというソフトがあるのではなくて、ある種のワープロ「システム」であるらしい(僕は詳しくは理解していない)。実際に書くためのワープロソフトはいろいろな人が有料・無料で出している。
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