現役東大生が作った"超速”サービスの中身 混めばこむほどドンドン速くなる?
「アクセスが増えれば増えるほど、コンテンツ配信は高速になり、サーバーの負担が分散されます。ユーザーが特別な操作をする必要もありません」――。利用者が増えればサーバーの負荷は当然高まるはずだが、一体どういうことなのか。
そんなサービスを可能にするのが、P2P(ピア・ツー・ピア)技術を利用した配信プラットフォームを提供するMist Technologies(ミストテクノロジーズ)だ。設立は昨年7月。東京大学大学院の学生が立ち上げた私設ラボ「Intellectual Backyard」から生まれた会社で、田中晋太郎CEO(24)は大学院でネットワークやサーバー、クラウド、データセンターの運用などを研究している。オフィスも東大の本郷キャンパス内にあり、メンバーは4名のエンジニアで構成されている。
P2P利用して端末同士がコンテンツやり取り
同社は7月にKDDIのスタートアップ支援プログラム「∞labo(ムゲンラボ)」を卒業したばかり。無限ラボは11年にスタートし、これまで29チームを輩出してきた。ミストはBtoBのサービスとして初参加だったが、第6期のサービス発表会で最優秀賞を獲得している。
ミストが提供する「MistCDN」(CDNはコンテンツデリバリーネットワークの略で、ネット上のコンテンツ配信網のこと)は、ブラウザ(Web閲覧ソフト)間でコンテンツを交換するプラットフォーム。ブラウザ間でリアルタイムに動画や音声、画像などのデータをやり取りできる「WebRTC」と呼ばれる標準技術を利用している。コンテンツ配信会社などが、Webサーバ上のファイルにタグを加えることで利用できるようになるという。
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