現役東大生が作った"超速”サービスの中身 混めばこむほどドンドン速くなる?
簡単に言えば、あるコンテンツを視聴する場合、すでに同じコンテンツを視聴しているユーザーがいれば、そのユーザーのPCに一時的に保存されているキャッシュからコンテンツを引き出す仕組みだ。後からアクセスするPCはそこからもっとも物理的に近いPCからコンテンツを引き出して視聴する。
通常、コンテンツを視聴する場合、アクセスが集中すると配信速度が遅くなる。が、MistCDNを利用した場合、アクセスが集中するほどコンテンツの配信源となるPCも増えるため、配信速度は向上する。これにより、コンテンツ配信側は膨大なサーバー容量を抱える必要がなくなるほか、視聴する側も快適にコンテンツを閲覧できる。とりわけ、ネット放送など、アクセスが集中しやすいコンテンツにおける利用や、4K、8Kといった大容量、超高精細映像の配信において実力を発揮できそうだ。
サーバー経由のトラフィックを7割削減
実際どれほどの分散効果があるのだろうか。実際にKDDI社内でイベントのライブ配信実験を行ったところ、サーバーを経由したトラフィックを約7割削減することができた。
MistCDNは、コンテンツ配信事業者が、自社が利用するサーバーと補完的に利用することを想定しており、使った分に応じて課金する従量課金型の収益モデルを目指す予定だ。ただし、配信のインフラ部分を担う技術ゆえに、企業も導入には慎重になる。そこで、自前の動画配信サービス「MistCDN Streaming」を提供中。無料トライアルで業者に利用してもらうことや、イベント配信などを通じて安定性の検証や運用面のノウハウを蓄積し、実績を作っていく方針だ。
これと並行して、資金調達も進めている。現在、個人投資家の林正栄氏(エミアル代表取締役)ほか個人投資家が1名から出資を受けており、そのほか1件の資金調達も決まっているという。
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