申真衣さんが毎週夫とデートする戦略的理由 「ライフシフト」から考えるこれからの夫婦関係
いつでもリスクをとれる、ゼロに戻れるなら、新たな専門性を獲得していくこともできるでしょう。共働きの夫婦の場合、メリットは「1+1が2よりも大きくなる可能性」があるのです。
長寿時代、メンバーシップ型雇用の問題点
日本は、雇用が守られた国です。働く人が安心を感じられて、いい部分があります。ただ、60~65歳までは雇用する義務が守られていたとしても、そこで結局放り出してしまいますよね。長年、その組織の中だけで通用するスキルしか積み上げてこなかった人は大変ですし、よほど残酷なのではないかと思います。
日本においては、残念ながら年をとった人に能力があるということが認められていません。ですから、定年退職後に再雇用される場合は、一般的には給与が下がります。
かつてのように、寿命が80歳ぐらいで、65歳で引退後、15~20年の余生を過ごせるだけの貯金があるというパッケージが成り立っていた時代ならいいでしょう。でも、今はそうではありません。65歳で引退しても、100歳まで生き、残り35年もの時間を過ごすための貯金はないという人が増えるのではないでしょうか。
終身雇用はすでに機能しなくなっています。でも、そこから抜け出せていない企業がとても多いのです。メンバーシップ型の経営は、労働者にとって、決して安心な道ではなくなっているということを、社会全体として確認する必要があるでしょう。
個人としても、変わらなければならない、学び直さなければならないということに対して、不安を感じる方は多いと思います。いまの仕事が将来なくなるかもしれないというのは、どの職種でもありうるでしょう。
ただ、私自身を振り返ると、証券会社で11年間働いて、専門性があると自覚できるレベルにはなれたと理解しています。ですから、ほかの分野であっても、10年も働けば、その業界に長けた状態になれると思うのです。
今後、私の働く期間が50年間あるとすれば、「10年間ずつ、5種類のまったく違う専門性を得る時間がある」と考えることもできます。今のスキルのままでずっと行こうとすると不安になると思いますが、まったく新しいことを学ぶ姿勢さえあれば、ワクワクするものになるのです。
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