申真衣さんが毎週夫とデートする戦略的理由 「ライフシフト」から考えるこれからの夫婦関係

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最近は、目標について、具体的な何かを達成することではなく、「こういう状態になっていること」というように、「状態」を設定するようになりました。世界は変わるということを前提に、自分がその世界にアジャストしていけるようにしておきたいと意識するようになったのです。

例えば、「老後資金が2000万円足りない」という問題が起きたとき、「2000万円貯める」という目標も設定できますが、「年収200万円でも、長く働きつづけられる体と心の状態を保つ」という目標もありえますよね。そして、後者のほうが、より時代にフィットしていて、サステイナブルだと思うのです。

今後も、肩書や資産の量ではなく、「いつでも学べる好奇心を持ち続けること」や、「何かをはじめるときに、自分の年齢を恥ずかしいと思わないこと」など、よりよい心の状態を保つことを、目標にしていきたいと思っています。

幸せのコアは「身近な人との関係性」

幸せについての感覚も、以前とは変化しました。自分の幸せのコアは、「身近な人との関係がうまくいっていること」と考えるようになったのです。

幸せは、脳内物質の分泌によって感じられるものです。「高価なものを買った」「出世した」というようなことで分泌されるのは、ドーパミンです。ドーパミンによる幸せは、「もっともっと」を求めるため、刺激がどんどん大きくならなければ、同じ度合いの幸福感をキープできなくなっていきます。

一方、赤ちゃんを抱っこして、においをかいだ時などに分泌されるオキシトシンは、一定の刺激でも、ずっと同じ幸せを感じられると言われています。

ですから、特に家族関係は、しっかりメンテナンスしようという気持ちでいます。家族4人で過ごす時間も大事にしていますが、1対1の時間も大事だと考え、夫や子どもとは、それぞれ向き合うようにもしています。

金曜日は、夫とデートしているのですが、これも、いい関係のための投資と考えているんです。人からは「毎日一緒にいたら、そんなに話すことがないんじゃないの?」と言われますが、逆なんですよ。一緒にいて、何でも話しているから、話したいことが増えていくのです。

お互いに「会社の〇〇さんが……」というディテールまで知っていますから、何かあったときは、いちばん理解してくれて、共感してくれる相手ということになります。すると、話したいことがどんどん出てくるのです。仲がいいからデートするのではなく、デートするから仲がいいのではないかなとも感じています。

仕事で嫌なことがあっても、家族との関係がうまくいっていれば、耐えることができます。「もっともっと」の成功を求めるよりは、身近な人との関係性を、いい状態に保っていく。そのほうが、より持続性の高い、幸せのコアになりますし、人生全体において大事なことだと感じています。

(構成 泉美木蘭)

申 真衣 VERY専属モデル、GENDA代表取締役社長

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しん まい / Mai Shin

東京大学経済学部経済学科卒。 ゴールドマン・サックス証券株式会社を経て2018年5月、GENDAを共同創業、2019年6月より現職。2020年3月号より、VERY専属モデルとして活躍。女の子のママでもある。

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