「ミステリと言う勿れ」圧倒的支持の立役者は誰か 菅田将暉、原作者、演出家、プロデューサー?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

表に出る機会は少ないものの、ドラマの方向性を決め、撮影を進め、放送を実現させるのがプロデューサーの仕事。草ヶ谷プロデューサーの奮闘がなければ、ドラマ「ミステリと言う勿れ」は、まだ放送されていなかったでしょう。ドラマのヒットに関して言えば、田村さん、菅田さん、松山監督と同等以上の功績があると言えるのです。

「原作と違う」批判はナンセンス

最後にもう1度ふれておきたいのが、漫画の実写化についてまわる「原作と違う」の声について。もちろん声を上げるのは個人の自由ですが、菅田さんやスタッフを過剰に批判したり、原作未読で楽しんでいる人をバカにするようなコメントを書き込んだりなどの行為はいきすぎでしょう。

「ドラマとして面白いかどうか」「映像化した価値はあったか」を語ればいいだけであって、漫画の再現性を確認すること自体がナンセンスであり、何より原作者が望んでいません。

今回も原作者の田村さんはドラマ化が決まったとき、「こんな幸せなことがあっていいんだろうか。自分にとって初めての実写ドラマ化、それがなんとフジテレビさんの月9、そしてその主演がなんと菅田将暉さん! 整役が菅田将暉さんです! 何度も声を大にして言いたい。感激です」と喜んでいました。

それ以外にも菅田さんやスタッフに対して、「“ああ…! 整が現実にいたらこんな感じなんだ!”ってもう整にしか見えず」「作品をとても大切に扱ってくださってます」「作品にとって整にとってこれ以上はない幸運に恵まれました」などのコメントを続けていました。

ドラマ化の結果、原作者がこんなに喜び、コミックの売り上げも伸びている。また、累計発行部数1300万部突破の人気漫画とは言え、その読者数はドラマ全体の視聴者としては1~2割程度の少数派にすぎないこともあり、過剰な批判は避けたほうがいいでしょう。

すでに原作漫画が10巻まで発売され、連載も続いていることから、続編ドラマや映画化は、よほどのアクシデントがない限り間違いありません。スタッフとキャストの努力によって生まれたドラマ「ミステリと言う勿れ」のようなすばらしい作品をより多くの人々が純粋に楽しむことが、さらなる良作の誕生につながっていくのではないでしょうか。

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事