「ミステリと言う勿れ」圧倒的支持の立役者は誰か 菅田将暉、原作者、演出家、プロデューサー?
また、「第1話より第2話のほうが原作に近くなった」という声もあったように、エピソードによる印象の差なども考えられるでしょう。「原作との違いが気になる」という人も、菅田さんが原作をリスペクトし、大量のセリフと向き合ったほか、地毛でアフロヘアーを作ったことなども踏まえて、もう少し寛容な目で見ていいのではないでしょうか。
風呂光の成長物語も見どころの1つ
一方、スタッフ側で注目を集めているのは、チーフ演出の松山博昭監督。松山監督は、「ライアーゲーム」「失恋ショコラティエ」「信長協奏曲」「人は見た目が100パーセント」などの過去作品を見てもわかるように、よく言えば「独創的でスタイリッシュ」、悪く言えば「過剰気味でクセが強い」映像表現で知られる演出家です。
鮮やかでファンタスティックな映像は質が高く、多くの人々に受けやすいものですが、時に織り交ぜられる扇情的な演出は好き嫌いがはっきり分かれるところ。今作でも称賛の声だけではなく、登場人物の感情表現や、音楽のチョイスとタイミングなどに対する疑問の声も見られます。
そしてもう1人、忘れてはいけないのは、草ヶ谷大輔プロデューサー。原作漫画にホレ込み、菅田さんに声をかけ、そのうえで田村さんにも働きかけ、両者をつなぐことで他局とのドラマ化争奪戦に勝って放送にこぎつけた立役者です。
さらに、菅田さんは昨年、主演ドラマ「コントが始まる」(日本テレビ系)のほか、4作もの主演映画が公開され、ドラマ主題歌も2つ担当。今年も大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(NHK)で源義経を演じるなど、業界トップクラスの過密スケジュールを調整したことも特筆に値します。
主演だけでなく、伊藤沙莉さん、尾上松也さん、筒井道隆さん、遠藤憲一さん、永山瑛太さんら、適材適所の助演をそろえたこともポイントの1つ。とりわけ風呂光の変化や成長は、整の言葉に続く、もう1つの見どころとなっていますが、それは草ヶ谷プロデューサーが伊藤さんをキャスティングしたことが大きいでしょう。
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