「休園」でも双子パンダ「3日間だけ公開」の舞台裏 延べ2458人が観覧、3日間の平均倍率は348倍
「深夜3時過ぎまで粘って買えたけど、欲しかったものが売り切れていた」「明け方に見たら、ほとんど品切れ。後で補充されても、まとめて買えず送料がかさむ」「店頭で10点も買えたら、転売されるのでは」「観覧できないショックと買えないショックで泣きそう」といった悲痛な声がSNSで相次いだ。
フリマアプリ「メルカリ」には、転売品が早くも12日に掲載され、複数が売れていた。筆者が翌13日正午に東京動物園協会の通販サイトを見た時は、大半の商品が「在庫切れ(入荷予定あり・入荷時期未定)」の表示だったが、夕方に見ると「手ぬぐい」「大人用Tシャツ」を除き、在庫が復活していた。
上野動物園の突然の休園により、上野の商業施設は双子パンダ公開を巡って対応が分かれた。松坂屋上野店は先着200人に「パンダまんじゅう」を配り、双子公開を祝う懸垂幕を外壁に掲げる予定だったが、取りやめた。
一方で、上野駅構内のエキュート上野は、対象店舗で飲食や購入をした人に対し、双子パンダをモチーフにしたオリジナルのコースターやシールを12日からプレゼント。京成電鉄は、双子パンダの写真がプリントされた公開記念の乗車券を12日に発売したほか、双子パンダの写真をヘッドマークに掲げた列車の運行を12日から始めた。
今後は親離れや双子同士の別れも
赤ちゃんパンダの外見や動きはどんどん変わる。そのため、今の時期の姿を観覧できるのは貴重だ。双子は1月23日で生後7カ月。1歳を過ぎれば、ひとり立ち(親離れ)が視野に入る。ひとり立ちすれば、双子がシンシンと遊んだり、母乳を飲んだりすることはなくなる。
飼育係がパンダと同じ部屋に入らない「間接飼育」にも移行する。パンダは成長に従い、牙や爪が鋭くなって危険なためだ。間接飼育になれば、双子が飼育係に抱っこされたり、飼育係にじゃれついたりする姿は見られない。そして、双子が別々に暮らす日もいずれ訪れる。肉親でも、成長すると縄張りを巡って相手を攻撃する恐れがあるためだ。その前に、双子が中国へ旅立つ可能性もある。
前回の上野動物園の休園は2020年12月26日~2021年6月3日で、5カ月以上に及んだ。もし今回もこれほど長ければ、双子パンダの大切な成長の過程を現地で見る機会を失う。
上野動物園には「シャンシャンの公開時のように、双子の様子を毎日ライブ配信してほしい」との要望が多数寄せられており、同園も把握している。だが、ライブ配信には費用と設備が必要なため、今のところ実現は難しい。そのためSNSやホームページでの情報発信に力を入れる方針で、早速「今日の上野動物園さんぽ」と題した動画を1月12日から毎日配信している。
シャンシャンの場合、一般公開から約1カ月半後に抽選制が終わり、整理券を取れば誰でも観覧できるようになった。双子の公開時間が1日2時間から延びて、抽選制が終わるのはいつになるか未定だが、それも再開園あってのことだ。
当面は、双子が成長していく姿を写真や動画で見守りつつも、早期のコロナ収束と上野動物園の再開園を願わずにいられない。
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