双子パンダが飲む「混ぜて使う人工乳」意外な中身 「上野赤ちゃんパンダ」の今をマニアックに解説
保育器内では搾乳した母乳を飲んでいる
保育器の中で小さな顔を揺らしながら、母乳が入ったシリンジ(注射器の針がないもの)を懸命にくわえて、ゴクゴク母乳を飲む赤ちゃんパンダ。目はまだ見えていない。
ピンク色の皮膚がほとんどむき出しだった双子は、少しずつ毛が生え始め、耳や肩はうっすらと黒くなった。性別はわかっていない。上野動物園が7月2日に公開した動画には、こんな健気で元気な姿が映っている。
体重も、誕生した日に保育器へ移した「子1」が124g(6月23日)→165g(6月30日)→183g(7月1日)、誕生した日にシンシンが抱いていた「子2」が146g(6月24日)→203g(6月30日)→248g(7月2日)と、やや差があるものの、どちらも順調に増えている。2頭の間で測定日にバラつきがあるのは、シンシンと保育器の間で双子を入れ替えているためだ(参照:『「すり替え作戦で育児」双子パンダ誕生の舞台裏』)。
双子は、シンシンに抱かれているときは乳房から母乳を飲むが、保育器内ではシンシンから搾乳した母乳を飲んでいる。
搾乳は、そう簡単ではない。パンダは可愛く見えても、成長すると力が強くて鋭い牙や爪を持つので、人間は一緒の部屋に入ることができない。そのため、まずは手が届く場所にシンシンが来て、落ち着いているときしか搾乳のチャンスがない。さらに、搾乳には技術が必要だ。職員はシンシンの乳房を軽くマッサージして、出た母乳を容器に入れ、冷蔵保存する。
上手に搾乳できているためか、シンシンは搾乳されても嫌がる素振りを見せず、おとなしくしているそうだ。日頃のトレーニングの成果もあらわれているのかもしれない。
ちなみにパンダの初乳は、一般的に薄い緑色をしていて、シンシンも同様だった。現在は、黄色がかった白色の母乳を出している。
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