「休園」でも双子パンダ「3日間だけ公開」の舞台裏 延べ2458人が観覧、3日間の平均倍率は348倍

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(左から)シャオシャオ、レイレイ、シンシン。2022年1月12日撮影(写真:公益財団法人東京動物園協会提供)
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双子のジャイアントパンダが上野動物園で3日間だけ公開され、延べ2458人(1月12日817人、13日832人、14日809人)が観覧。双子の公開は、新型コロナウイルスの拡大防止による同園の休園開始と重なり、休園日に当選者を入れるという異例の対応になりました。

入念な準備をしてきた

上野動物園で生まれた双子のジャイアントパンダの1月17日の体重は、雄のシャオシャオ(暁暁)が14.95kg、雌のレイレイ(蕾蕾)が15.00kgで、ともに生まれた時の100倍を超えた。

父親のリーリー(力力)は137.2kg、母親のシンシン(真真)は124.0kg(いずれも1月15日測定)なので、双子はまだまだ大きくなる。なお、この4頭と離れたパンダ舎で暮らす双子の姉のシャンシャン(香香)は体重を測定できなかった。シャンシャンの体重は、2本の棒(バー)を使った「バースケール」で量っており、これが経年劣化で故障しためだ。

双子は、プールに体が落ち込まないよう敷き詰められたバークチップ(松などの樹皮を砕いたもの)で遊ぶなど、起きている間は活発に動き回っている。

双子は1月12日に初めて一般公開された。同園は新型コロナウイルス対策で12日から休園したため(11日はもともと休園日)、観覧の抽選に当たった人だけを12~14日に園内へ入れての特別公開だ。

幼い双子パンダに負担をかけないよう、1日の公開時間は午前10~12時の2時間からスタート。「2時間以内に終える」「コロナ禍で密になるのを避ける」「観覧者の移動時間も考慮」「観覧したという満足感も必要」といったことを計算した結果、1人当たりの観覧時間は1分間に決まった。

双子を公開する西園パンダ舎の部屋は分厚いガラスで観覧者と仕切られているので、双子には観覧通路の音声はあまり聞こないだろう。しかもパンダは一般的に視力が低い。

だが、「最悪の事態を想定して、慎重に公開します」(上野動物園教育普及課の大橋直哉課長)と入念な準備を重ねてきた。1986年に同園で生まれたトントン(童童)が一般公開初日に出てこなかったことなど、過去の出来事も踏まえている(参照:『双子パンダ1月公開「日中ラジオ流し準備」の理由』)。

公開を迎えるに当たり、園内では年末年始にかけて職員が自由に双子を観覧できる機会を設けた。年が明けてからは、公開と同じように15秒刻みで動き、観覧者がやるようにパンダに向かって手を振るなどした。いずれも、双子が公開に慣れるようにするためだ。

観覧者の抽選は、1月12~14日、1月15~21日と期間を区切って行い、動物園に入る時刻で3つの時間帯に分けて実施。定員は各360人で、1日の当選者は最大1080人だ。1人の応募で5人分まで申し込める。

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