「休園」でも双子パンダ「3日間だけ公開」の舞台裏 延べ2458人が観覧、3日間の平均倍率は348倍

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1日当たりの平均倍率は、12日が335倍、13日が338倍、14日が370倍で、3日間の平均は348倍。双子の姉のシャンシャンを抽選で公開した2017年12月19日~2018年1月31日の倍率は最高で約144倍だったので、それを大きく上回る。ちなみに筆者は3日間ともはずれたので、まだ観覧していない。

ただ、1月15~21日は土日が含まれるにもかかわらず、倍率は下がった。1日当たりの平均倍率は、15日が121倍、16日が133倍、17日は休園日で、18日が71倍、19日が74倍、20日が72倍、21日が75倍。6日間の平均は91倍だ。

この期間の当選者には、1月6日午後1時に当選が通知される予定だった。しかし通知は急きょ保留となり、翌7日、東京都が上野動物園を1月11日から休園すると発表した。その結果、1月15~21日の当選者には当選が通知されないまま、当選は無効になった。

休園に伴う東京都と上野動物園の対応は、①発行済みの1月12~14日の上野動物園への入園整理券(1日最大6500人分、事前予約制)は無効、②1月12~14日の母子パンダ観覧の当選(2時間で最大1080人分)は有効、入園料は無料、③1月15~21日の母子パンダ観覧の当選(2時間で最大1080人分)は無効となった。

対応が分かれた理由を上野動物園に尋ねたところ、1000人ほどならば密にならないと判断し、当選を通知済みの1月12~14日の当選者のみ有効にしたとの回答だった。この措置に対しては、「仕方ない」「当選者が撮った双子の写真が楽しみ」と理解を示す意見がある一方で、「休園の意味がない」「2時間に1000人なら密なのでは」「パンダ観覧だけ特別扱いはおかしい」といった批判もSNSなどで起きた。

報道関係者は、双子がいるパンダ舎の一帯(パンダのもり)への立ち入りが禁止されたので、筆者は中の様子がわからない。だが、観覧者は1列で「パンダのもり」に入っていったので、さほど密ではなかったようだ。一方、パンダ舎近くのギフトショップは、入り口が全面開放されて換気は良いものの、複数あるレジ前に行列ができて、人でいっぱいになった。

初日は定員1080人に対し観覧者817人

公開初日の1月12日は通常通り午前9時30分に開園すると、警備員に先導された当選者がパンダ舎へ歩いてきた。この日の観覧者は、最大1080人の定員に対し817人。報道関係者(パンダは観覧できない)は、海外メディアも含め44社、83人だった。

最初に「パンダのもり」のある西園へ到着した観覧者と、待ち構える報道陣(写真:2022年1月12日筆者撮影)

双子パンダと母親のシンシンがいる部屋の幅は約9mで全面ガラス張り。公開時は、ここの前の通路が4つのエリアに分けられた。観覧者は数人ずつ組に分けられ、組ごとに移動。4つのエリアで15秒ずつ(計1分)立ち止まって観覧・撮影する。

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