柳川東大教授「日本人が抱えるモヤモヤ感の正体」 「先が見えないから面白い事を」ライフシフト論

日本人のモヤモヤ感の正体とは? (写真:metamorworks/PIXTA)
シリーズ累計52万部のベストセラー『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』の最新版『LIFE SHIFT 2(ライフ・シフト2):100年時代の行動戦略』がついに刊行され、14万部のベストセラーとなっている。
新しい生き方・働き方に向けて一歩を踏み出す人の背中を押す「実践の書」としての本書を、自らも「独学力」で人生を形作ってきた東大教授はどう読んだのか。「40歳定年制」など、『ライフ・シフト』と親和性の高い主張を続けてきた柳川教授が読み解く。
日本人が抱えるモヤモヤ感の正体とは
未来に向かって新しい選択をしていく。そのために、いくつになっても学ぶ必要がある。『ライフ・シフト2』が提唱するそんな考え方に、私は共感しかありません。
一方で、日本人はこれをどう受け止めるだろうかということも、私の大きな関心事です。学ぶと聞くと、「そんな大変なことはもうやりたくない」と後ろ向き、あるいは守りの姿勢に入ってしまう人が少なくないように思うからです。
そうではなく、これから先、新しいチャンスが広がっていくのだということを、どれだけ多くの人が読み取ってくれるか。そこに関心があります。
私は約10年前から「40歳定年制」を提言しています。これには40歳で定年退職すべきだといった誤解も生じましたが、そうではなく、40歳前後をキャリアの節目として、あらためて自分の将来について考え直してはどうか、1、2年くらい国がサポートしてリカレント教育を施すべきではないか、という趣旨です。
20年前と今とでは、労働環境は著しく変化しています。これからの20年も大きく変化していくでしょう。その変化に対応していくためには、一度キャリアを棚卸ししたほうがいい。そして学び直しが必要になると思います。
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