柳川東大教授「日本人が抱えるモヤモヤ感の正体」 「先が見えないから面白い事を」ライフシフト論

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なかには、私には好奇心がない、社会課題について関心が持てないという人もいますが、それは大いなる誤解です。誰でも自分が面白いと思うことや、「こうであればいいのに」と思うことを持っていると思います。ただ、それに気づいていないだけ。

実際、成功するためには好奇心が必要、となると、すべてが「必要かどうか」の価値観だけで捉える話になってしまいます。「必要かどうか」という枠の中で、好奇心は何?と聞かれても、出てこないでしょう。順序が逆ですよね。

別に大きな成果を得なくてもいい。私たちは誰もが大きな成功を収めるために生きているわけではありません。

先行き不透明な時代だからこそ、面白いと思うことをやりましょう。そうすれば、今までよりはるかに機会が広がったり、出口が見えてきたりする。好奇心を持てる事柄についてスキルアップをして、自分の満足できる人生の100年を考える。

こういった方向で生き残りについて考えるほうが、私はずっと建設的だと思います。

個人の可能性を広げるために

技術革新によって個人がチャレンジできる可能性は大きく広がってきました。かつては自分が作ったものを売りたいと思えば、リアルな店舗を構える必要があり、そのための敷金・礼金を支払う資金力も必要でした。

ところが今はネット上に手軽に自分の店をオープンすることができます。決済サービスなどのさまざまなクラウドサービスを利用することもできます。いままでできなかったことに対するハードルが劇的に下がってきているのです。

リモートワークで柔軟な働き方ができる企業も増えてきています。オンラインで受講できるセミナーも充実しています。副業が認められている企業なら、それを活用してもいいでしょう。

いろいろな選択肢を模索しやすい時代になったと言えると思います。その意味では、ある程度年齢を重ねてきた人のほうが、チャンスがあるとも言えるかもしれません。定年やセカンドキャリアを考える際には、拠って立つところがいったんなくなり、ゼロベースで考えられるからです。

もちろんやれる範囲でいい。ステップアップも、何か絶対の基準があって、そこに至るか否かだけではありません。できれば、公的な仕組みがあればいいのですが、一事業者になるための知識やノウハウを学んで、たとえば雇われ店長だった人が独立して自分の店を持つとか、それぞれの人が置かれた状況を踏まえての選択肢、可能性を広げることが重要です。

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