28歳、経理から営業に転職して再び悶々… 30カ国の旅行経験。得意な「地理」生かしたい

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いい大学に入り、いい会社に入っても、一生安泰の保証はない。これからの時代は、社会に出た後にどんな努力をするかで将来が決まる。この連載では、「学歴なし、コネなし、カネなし」で世の中を渡り歩いてきた安井元康・経営共創基盤(IGPI)プリンシパルが、悩めるビジネスパーソンからのキャリア相談に、本当に役立つ実践的なアドバイスをしていく。

※安井さんへのキャリア相談は、こちらまでお送りください。

【キャリア相談 Vol.14】 意な地理を生かし、不動産か旅行会社に転職したい
 現在28歳で、マレーシアの日系メーカーでルート営業を担当しております。日本で大学卒業後、約3年間、メーカーの経理をしていましたが、以前から海外勤務にあこがれがあり、思い切って退職し、現地採用者として転職しました。その際に、経理から営業にキャリアチェンジしました。マレーシアに来て、もうすぐ2年になります。
 海外で多少は英語力を伸ばすことができましたが、営業スキルは向上しておりません。見積書作成・価格交渉・納期交渉が主な業務です。製品技術に興味が持てず、知識は素人同然なので、お客様へ製品の提案といった本来の営業業務は全然できておりません。転職したにもかかわらず、なかなか仕事にやりがいを持てず、悶々としております。
 私は昔から地理が得意で、いろいろな国や都市に強い関心があります。これまでに30カ国を旅してきました。年齢的にも次がキャリアチェンジのラストチャンスだと考えており、得意分野の地理を生かせそうな不動産会社か旅行会社への転職を考えております。ちなみに、海外での生活が性に合っているので、日本での就職は考えておりません。キャリアについて、アドバイスをいただけましたら幸いです。
Y.M.
仕事にやりがいを持てない。地理は得意なのですが…… (写真:アフロ)

考えている以上に深刻な状況です!

以前の職場で、「売って売って売りまくる!」と称し、どっかから盗ってきたと推定されるタウンページで片っ端から営業電話やFAX攻撃を仕掛けていたA君。翌日には攻撃を受けた方々からのクレームの電話対応で社内全員が対応するという伝説を作った揚げ句、「俺、お笑い芸人になるぜぃ」と言い残し、職場からさっそうと姿を消したA君。その後、聞いた街のうわさでは彼の人生そのものがいちばんのお笑いだった、という話ですが、キャリアチェンジにはいつも計画性が求められますよね。

さて、うまくキャリアチェンジを遂げたと思ったものの、現在、再びご自身のキャリアに釈然としない気持ちを持たれているYさん。28歳で30カ国を旅する金銭的・時間的余裕は、20代で生まれて初めてパスポートを持った私からすれば正直、うらやましいですね。行動力の賜物でしょうか。

ただし、その一方でキャリアについてはYさんもご認識のとおり、あまり余裕が残されていないようです。むしろ、考えておられる以上に状況は深刻だと思います。まずはなぜ深刻な状況なのか、どの程度、深刻なのか、といった事実をきちんと把握するとともに、これから何ができるかを考えてみましょう。

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