いい大学に入り、いい会社に入っても、一生安泰の保証はない。これからの時代は、社会に出た後にどんな努力をするかで将来が決まる。この連載では、「学歴なし、コネなし、カネなし」で世の中を渡り歩いてきた安井元康・経営共創基盤(IGPI)プリンシパルが、悩めるビジネスパーソンからのキャリア相談に、本当に役立つ実践的なアドバイスをしていく。
※安井さんへのキャリア相談は、こちらまでお送りください。
考えている以上に深刻な状況です!
以前の職場で、「売って売って売りまくる!」と称し、どっかから盗ってきたと推定されるタウンページで片っ端から営業電話やFAX攻撃を仕掛けていたA君。翌日には攻撃を受けた方々からのクレームの電話対応で社内全員が対応するという伝説を作った揚げ句、「俺、お笑い芸人になるぜぃ」と言い残し、職場からさっそうと姿を消したA君。その後、聞いた街のうわさでは彼の人生そのものがいちばんのお笑いだった、という話ですが、キャリアチェンジにはいつも計画性が求められますよね。
さて、うまくキャリアチェンジを遂げたと思ったものの、現在、再びご自身のキャリアに釈然としない気持ちを持たれているYさん。28歳で30カ国を旅する金銭的・時間的余裕は、20代で生まれて初めてパスポートを持った私からすれば正直、うらやましいですね。行動力の賜物でしょうか。
ただし、その一方でキャリアについてはYさんもご認識のとおり、あまり余裕が残されていないようです。むしろ、考えておられる以上に状況は深刻だと思います。まずはなぜ深刻な状況なのか、どの程度、深刻なのか、といった事実をきちんと把握するとともに、これから何ができるかを考えてみましょう。
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