世界的科学者と経済学者が明かす「最高の老い方」 誰もが「健康長寿」を目指すべき納得の理由
シリーズ累計50万部のベストセラー『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』の最新版『LIFE SHIFT2(ライフ・シフト2):100年時代の行動戦略』の共著者で、ロンドン・ビジネス・スクール経済学教授のアンドリュー・スコット氏。
今回、日本でも話題のベストセラーを著わした二人の著者が、寿命が劇的に延びた世界をどう生きるべきか、語りあった。
長寿時代のカギは「教育」
アンドリュー・J・スコット(以下、スコット):私たちの世界では、ルールが変わりつつあります。より長い健康寿命を享受できるようになり、いまの若い人たちは、多くが90歳まで生きる可能性があります。
この意味を考えて、より良い年のとり方をしなければなりません。老後に関する目下の話題は、「健康でいられるかどうか」ですが、人生には、健康以外にもいろいろな要素があります。
長寿になれば、過去も未来も長くなります。大人になっても、「これから何をやりたいか」「自分の人生にとって何が重要か」ということを考えられることになるでしょう。
人生において、自分が何者であるかを発見する、そういったことが何度でもできるようになるわけです。
デビッド・A・シンクレア(以下、シンクレア):スコット先生のご意見に賛同します。私は、この時代において、政府が果たすべき役割があると考えています。それは、教育です。
一般の方々にとって、伝えるべき重要な情報がまだまだあります。世の中では、糖度が高く、飽和脂肪酸がたくさん含まれた食べ物が多く売られています。
例えば、メキシコでは、こういったものに警告ラベルが張られるようになりました。タバコと同じです。スナック菓子などには、「健康に良い食品ではない」と表示し、子どもたちにあまり食べすぎないように警告を発しているのです。