世界的科学者と経済学者が明かす「最高の老い方」 誰もが「健康長寿」を目指すべき納得の理由
シンクレア:人生が長くなるということは、経済的な面を考えると、早期リタイアはできなくなるということになります。長い期間働かなければならないのですから、労働環境そのものが変わらなければなりません。
人生の後半になっても、より楽しめるキャリア作りをしていけることが重要だと思います。そして、退職後も、健康であれば、物を買ったり、旅行したりと、経済に貢献しつづけることができます。社会の変化によって、経済の中で生み出される価値も変わるでしょう。
何歳でも挑戦できる社会へ
スコット:長い期間楽しみながら働き続けられることは重要ですね。
コロナ禍では、さまざまな学びがありました。その1つとして、人との関わりの重要性があります。単に長く生きるのでなく、高齢になる間にも、どんどん新しい人やアイデアと出会うために、人間関係を深くしていく必要があるのです。また、そういったことが、より健康に寄与していくこともわかっています。
これまでとは違う変化が必要です。そのためには、新しい時代のロールモデルをしっかりと発信することが大切ですね。
自分の好まない仕事をしている人は、「長く働き続けるなんて嫌だ」と感じるかもしれません。しかし、マルチステージの人生では、サバティカル休暇をとることができます。
失敗しても、やり直しできます。中年になって、自分の人生に悩む方もいますが、それはやり直しがきかないからです。人生のどの段階においても、自分の未来に向けてアクションを起こせるわけです。
特に『ライフシフト2』では、テクノロジーの重要さに触れ、働き方が変わることを書いています。人生を10代の冒険のようにとらえ、マルチステージで生きるということを、生涯を通して考えなければなりません。
シンクレア:スコット先生の本は、経済、社会、科学をうまく組み合わせて書かれており、大変面白く読みました。私の本『LIFESPAN(ライフスパン)』では、「年をとる」ということを、生物学的に論じています。
なぜ老化現象が起きるのか。食事、運動などの分野別に、老化はライフスタイル次第で減速できることも書いています。さらに、私が80歳になる父と一緒に摂取している老化予防のサプリメントも紹介しました。
長寿化によって、何が起こるかではなく、それがいつ起きるかを考えることが重要です。ネガティブな影響もあれば、ポジティブな影響もあるでしょう。私たちの本では、その点を、地球上の方々にしっかり伝えていきたいと思っています。読者の方にはさらにメッセージを広めていただければ幸いです。
(構成:泉美木蘭)
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