「イクメン」人口増のカギは「イクボス」にあり 職場で利害が激突。上司はどうすべき?

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男性上司「でも、継続と言ってもそんなに簡単なことじゃないよね?」

そこで注目したいのが、この「イクボス」なのです。なぜかと言いますと、この多様化したグローバル社会に応えるための発想として、「女性が能力を十分に発揮し、活躍できる社会を作る」。それには私も大賛成です。しかし、そのためには男性をはじめとした周囲のサポートが欠かせません。

「イクボス」がワーママ活躍のカギ?

女性の活躍は、女性だけにフォーカスしても無意味で、男性とともに変わっていくことが大事です。子どもを産んで、育てて、家事もこなして、さらに仕事も……なんて、さすがにこれをすべて女性に任せようとする方はいないと思いますが、女性に活躍を求めるとするならば、周囲双方の“歩み寄り”がカギとなるでしょう。

先日、私が講師を務める大学での講義において、男子学生が「男性は外、女性は内という固定概念は取っ払いたい」と発言していたのには、頼もしく感じました。

このように男子学生の考え方も変化してきている今、男性上司の皆さんはどのように女性部下をサポートをされていますか?

男性上司「いやぁ、何もしてないなぁ。申し訳ない」

だったら、今こそすてきな「イクボス」になりましょう! 何せ、いいことずくめなのですから。まず上司が育児に理解を示してくれれば女性部下のストレスも減りますし、そんな上司の期待を裏切らないためにも、限られた時間で成果を上げる努力をすることでしょう。

実際に「イクボス」のチームでは、成果を出すワーキングマザーが活躍する例が多く存在すると聞きます。ほら、いかがですか? こう聞くと、あなたも「イクボス」に興味が出てきたのでは?

男性上司「確かに。でもなんでイクボスが必要なのかな?」

お答えしましょう! ご存じのように働く女性、特に育児中の女性の多くが直面する問題は、時間の制約があること、そして是が非でも周囲の協力を得なければならないことです。内閣府男女共同参画局の資料「6歳未満児のいる夫の1日当たり家事・育児関連時間の国際比較」によると、日本の場合1時間と、欧米諸国の3分の1程度です。

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