就活「後ろ倒し」では、学生は勉強しない

「システム」を理解しなければ、就活は語れない

実は、今回の就活後ろ倒しの決定は、2013年4月19日に実施された「経済界との意見交換会」で、政府から要請を受けた経団連をはじめとした経済団体が、要請に応える形で実現したものです。つまり、主導者は政府で、企業側は政府の要求に従っただけなのです。

学業はかえっておろそかになる

では、政府はどういう意図をもって、就活後ろ倒しを企業に要請したのでしょうか?

政府の説明には、いくつかの理由が挙げられていますが、その筆頭には、以下のように学生の「学修時間の確保」が挙がっています。

「就職活動の早期化・長期化は、学業に専念すべき学生自身の負担になるばかりでなく、学生の成長がもっとも期待される卒業・修了前年度の教育に支障を来し、結果として学生の学力の低下が懸念されます。

就職・採用活動開始時期を変更することで、学生が落ち着いて学業等に専念できる環境が整備されることが期待されます」(首相官邸発表)。

要するに、就職活動の開始時期が早すぎ、またその期間も長すぎることが、学生が勉強するのを邪魔しているから、学生が安心してもっと勉強に打ち込めるように就活を後ろ倒しにしろということのようです。ですが、今回の就活後ろ倒しで政府が期待しているような効果が出るかというと、甚だ疑問に感じざるをえません。

なぜならば、この連載で繰り返し述べてきたとおり、今回の就活後ろ倒しで企業のオフィシャルな採用活動の期間は短くなりますが、水面下では早い段階から学生と接触を持とうとする企業が増え、学生が就職のために費やさなくてはいけない時間は、むしろ今までより長くなると予想されるからです。

企業は優秀な学生とコンタクトを取るために、リクルーター制度を復活させるとともに、本来は採用活動と切り離されているべきインターンシップを隠れみのに使ってきます。

実際、すでにさまざまなメディアで、今回の就活後ろ倒しに関連して、企業が採用活動の一環としてリクルーターとインターンシップに力を入れ始めていることが報道されています。

企業の目的が、優秀な学生の早期確保だという事実は、ちょっと意識の高い学生の間では周知の事実ですし、リクルーターに接触しなかったり、インターンシップに参加しない学生が就職活動で後れをとってしまうことにも、学生はすでに感づいています

となると、リクルーターに接触しようとしたり、インターンシップに参加しようとする学生が大幅に増えることは間違いありません。

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