マクドナルドと吉野家の「面」と「点」《それゆけ!カナモリさん》

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■牛鍋丼を食べてみた

 本日、9月7日10時より全国発売が開始された、吉野家「牛鍋丼」。自社顧客の競合流出防止と、競合顧客吸引という、まさに社運をかけた新メニュー。人気の牛豚丼、豚生姜焼き定食などの豚メニューも販売を停止して「牛」にかける意気込みを見せている。果たしてその実力はいかほどか?

 発売開始後1時間半、11時30分の新橋店。吉野家の店内は普段より来店客が多いが、1階・2階ともまだ多少の空席がある状況。しかし、厨房には普段を上回るスタッフが投入されていると見え、12時過ぎに戦場と化すことを予感させる空気が漂っていた。

 指揮官たる店長は最前線に立ち、顧客の注文を聞き、厨房に指示を飛ばす。「牛鍋丼」の存在を意識せず、いつも通り「牛丼並」をオーダーし、心変わりして注文を変える客も多い。その指示を確実に伝達することが欠かせないようだ。食券方式ではない吉野家の弱点を店長がカバーする。多忙そうな様子ながら、来店客にはいつもの中国系スタッフが前面に出ている時より、格段にホスピタリティーが伝わっているように思われる。

 筆者は持ち帰りカウンターで「牛鍋丼・並」「牛丼・並」を注文した。来店客の牛鍋丼と牛丼注文比率は半々といったところだろうか。

 比較対象とするため、少し先の松屋に「牛めし・並」を購入するため訪れた。9月6日からスタートしている値引き・250円キャンペーンのためか、11時40分の時点で店舗には空席待ちで店内に列ができていた。持ち帰りカウンターに放り投げるように外国人スタッフが弁当を置き、厨房に戻っていく。来店客をさばくのに精一杯で、礼や接客的な配慮をする余裕が全くない様子が見て取れる。

 事務所にて持ち帰り弁当を広げる。写真左から、松屋「牛めし・並」、吉野家「牛丼・並」「牛鍋丼・並」。今回は肉の量などを計量することはせずに、できるだけできたてを素直に食べて、その印象から考察しようと考えた。

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