マクドナルドと吉野家の「面」と「点」《それゆけ!カナモリさん》

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

 まずは価格。無料のコーヒーに始まり、100円・120円メニュー、200円の朝食セット、復刻版や改良版として定期的に投入される「照り焼き」や「月見」バーガーなど日本オリジナルメニューの中価格帯商品、クォーターパウンダー、ビッグアメリカキャンペーン商品などの高価格帯メニューなどが対応する。

 次に時間帯。朝マック、ランチタイムのセット、午後のティータイムにはマックカフェ、お一人様向けの簡単な夕食ならチキンメニューなど、時間帯別にもオススメできる対応商品がある。

 客層では、クォーターパウンダーで主にボリューム感を求める若年層を集客し、次にニッポンオールスターキャンペーンで懐かしの復活日本オリジナルメニューで往年のファンを呼び戻す。さらに、自社客のリピートを促進するだけでなく、その合間に無料コーヒーで新規顧客を集客することにも抜かりがない。

 全外食企業の中では売上こそ「すき家」を運営するゼンショーに抜かれたものの、日本マクドナルドは押しも押されもせぬリーダー企業である。

 リーダー企業の戦い方の基本は「全方位戦略」だ。しかし、ダメな「全方位」は思いつき、散発的に様々なことに手を出す。それに対し、マクドナルドは緻密にセグメントを切り、それをスキマなく、モレ抜けなく「面」を自社の色に塗り込めていくのだ。その戦略と徹底力こそが力の源泉なのである。

 マクドナルドの好調が報じられた翌9日、日本経済新聞では、土俵際に追い詰められた吉野家の窮状が伝えられた。8月の牛丼チェーン大手3社の8月の売上高で、ゼンショーと松屋は前年同月に比べて32.3%、8.0%それぞれ伸ばした。一方、吉野家は11.9%減と18カ月連続の前年割れ。

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事