このように、「渇望」も「危機感」も、それ単体しかない状態でモチベーションを維持するのは難しいので、組み合わせが必要になります。
ご質問内容だけから考えると、「宅建業法や民法に何が書いてあるのか知りたい」という知識への「渇望」ではなく、「会社が取得を推奨している」、「先輩もみんな持っている」という弱い「危機感」しかない状況であると思われます。
まず、「渇望」してモチベーションを得るためには、脳科学者の茂木健一郎さんが提唱している「アハ体験」が必須です。不動産の契約一つにしても、宅建業法や民法に則った規定が随所にちりばめられています。「あ、これはこういう意味だったんだ。なるほど!」というアハ体験をすると、勉強は面白くなります。仕事と勉強のつながりを意識することで、知識に対する「渇望」が生まれるのです。
自分流「ピタゴラスイッチ」を作ろう
もっとも、ご質問者様も不動産の仕事をしている以上、すでに少なからず宅建の勉強への「渇望」があるかもしれません。知識欲を出すだけで勉強が続くような御仁なら私に質問などしてこないでしょう。そういう方のために、「ピタゴラスイッチ化」によるモチベーション維持をお勧めします。
「ピタゴラスイッチ化」というのは、最初に走り出した後、自動的に「危機感」が高まる仕組みを自ら作っておけ、ということです。
ところで、ピタゴラスイッチはご存知でしょうか? そう、NHK教育テレビで放映されている、謎の仕掛け「ピタゴラ装置」が有名な番組です。最初に力を加えるだけで、自動的に各種仕掛けが作動し、最後には「ピタゴラスイッチ」という番組名がドーンと画面に登場して「おおーっ」となるわけです。いわば未来型ドミノですね。
では、勉強においてはどのようにピタゴラスイッチを作るのでしょうか。そのポイントは3つ。「足切り」「競争」、そして「監視」です。
1つ目の仕掛けは「足切り」。「TOEIC750点とらないと課長に昇進できない」というのは、TOEIC750点を取ったからといって昇進できるわけではありませんが、お尻に火をつけるのに最も効く方法です。会社の規則だと自分で変えるのは難しいですが、たとえば「来年までに受からなければやめる」と家庭内で決めることでも、これは実現できます。時間の足切り基準の設定ですね。
可能であれば、ご自身の試験勉強にも一つ「足切り」の仕掛けを作ってみてください。
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