アーティスティックなサイコスリラー
“サイコ”という言葉は、アルフレッド・ヒッチコック監督の名作『サイコ』(1960年)によって世界中に広まった。同じく、犯罪の性質や特徴を行動科学的に分析し、具体的な犯人像を推論する”プロファイリング”という捜査方法を世に知らしめたのは、稀代の悪役ハンニバル・レクターを生んだトマス・ハリスのベストセラー小説を映画化した『羊たちの沈黙』(1991年)である。
1994年にはハリスの小説のモデルにもなった、元FBI特別捜査官ロバート・K・ケスラーの著書『FBI心理分析官』が日本でもベストセラーを記録した。以後、シリアルキラー(連続殺人犯)、プロファイラーという言葉は、日本の刑事ドラマやサスペンスでも頻繁に登場するようになった。
第22回は、いまだ世界中でカリスマ的な人気を誇るハンニバル・レクター博士が待望の復活を果たした、刺激的でアーティスティックなサイコ・スリラー『HANNIBAL/ハンニバル』(2013年~)を紹介しよう。



















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