あの大物俳優たちがゲイカップルに!? 名匠ソダーバーグ、活動拠点を映画からTVへ

✎ 1〜 ✎ 21 ✎ 22 ✎ 23 ✎ 最新
拡大
縮小
 アメリカのドラマのクオリティは、ここ10年で格段にアップしている。地上波をしのぐ勢いで、ケーブル局が質の高いオリジナルドラマを作り、最近ではインターネット配信ドラマも映画並みのクオリティを誇っている。そんなアメリカのドラマを中心に、世界各国の海外ドラマの中から、海外ドラマ・ライターの今祥枝が“大人”のビジネスパーソンに向けて骨太な作品を紹介。話題の新作から過去の秀作まで、独自の視点で斬っていく。週末、自宅で海外ドラマを楽しみながら、グローバルな教養も身に付く!

「海外ドラマは長すぎる」という人にお薦め

『恋するリベラーチェ』3800円(税抜)
発売元・販売元:TCエンタテインメント
(C)2013 Home Box Office, Inc. All Rights Reserved

海外ドラマは長いから見る時間がないという人、または海外ドラマにはあまり興味のない映画ファンは、ぜひとも秀作の多いTVムービーに注目してほしい。

第21回は、昨年のエミー賞で作品賞を含む11部門を制覇したTVムービー『恋するリベラーチェ』(日本では劇場公開された)を紹介する。スティーヴン・ソダーバーグ監督、主演はマイケル・ダグラスとマット・デイモンというビッグネームがそろい踏みだ。

参考までに、アメリカのTVドラマにおけるTVムービーの位置付けを説明しておこう。

先月、米ロサンゼルスで開催された第66回エミー賞(Primetime Emmy Awards)受賞式の結果をお伝えしたが、本連載でこれまでに取り上げてきた作品は、エミー賞ではドラマ・シリーズ部門、コメディ・シリーズ部門にカテゴライズされる作品が主である。そのほかに、基本的に10話前後、そのシーズン限りで完結するミニ・シリーズ部門と、2時間程度のTVムービー部門がある。後者の2部門は、現在のように映画界の人材がTVに流入する以前から映画スターの活躍が目立つカテゴリーではあったが、近年はどこの映画賞なのかと思うほど豪華な顔ぶれとなっている。

『トラフィック』でアカデミー賞監督賞を受賞し、『オーシャンズ』シリーズのヒットメイカーでもあるソダーバーグは昨年、映画監督の引退を宣言し、活躍の場をTVにシフトしていることを、映画ファンならご存じだろうか。

近年は『ハウス・オブ・カード』のデヴィッド・フィンチャー、『ボードウォーク・エンパイア 欲望の街』のマーティン・スコセッシほか、映画スターだけでなく、作り手も映画界からTV界へ本格的に参入している。

だが、さすがにソダーバーグの「映画監督引退」という決断は、業界内外に大きな衝撃を与え、波紋を呼んだ。ソダーバーグほど映画界で才能を発揮してきた監督が、なぜ世界に冠たるアメリカ映画界の第一線から退いたのか。その理由の一端を見ることができるのが、TVムービー『恋するリベラーチェ』である。

伝説のピアニストを大熱演したマイケル・ダグラス
次ページ秘密を抱えて生きる苦悩と心の叫び
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT