アメリカで異例のブーム
アメリカでは、ここ数年、イギリスで製作されたドラマの勢いが目立つ。
去る8月25日(現地時間)に発表された、米国テレビ界最高の権威であるエミー賞では、英国公共放送局BBC製作の『SHERLOCK/シャーロック』(2010年~)が、主演と助演の2人の英国人俳優を含めて最多の7部門を受賞した。コナン・ドイルの小説『シャーロック・ホームズ』シリーズを、現代に舞台を置き換え、巧みに翻案した本シリーズは、日本でも絶大な人気を誇っている。
もう1本、エミー賞のほか主要な賞の常連で、アメリカで異例とも言うべきブームを巻き起こしているのが、『ダウントン・アビー』(2010年~)だ。
20世紀初頭、イングランド郊外にたたずむ貴族の大邸宅を舞台に、上流階級と使用人たちの愛憎劇を描いた本作は、英国最大手の民間放送局ITVの製作による。世界各国で人気を博しているが、とりわけアメリカで高い人気と評価を得ているという興味深い現象が起きている。
『ダウントン・アビー』予告編
ともすれば堅苦しいイメージが付きまとうコスチューム・ドラマ(史劇)が、なぜここまでアメリカでヒットしているのか? 第20回は、その理由とともに『ダウントン・アビー』の魅力と英国ドラマ事情について紹介したいと思う。
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