1912年のイングランド。“ダウントン・アビー”と呼ばれる大邸宅で暮らす貴族グランサム伯爵ロバート一家の下に、豪華客船タイタニック号沈没の悲報が飛び込む。グランサム卿の跡継ぎとして家督を相続するはずだった、長女メアリーの婚約者が帰らぬ人となったのだが、当のメアリーの反応はそっけない。なぜなら、当時、俗に“長子相続”と呼ばれる制度により、不動産(土地・屋敷など)は分散を避けるために長子、あるいはいちばん近親の男性だけに相続条件が限定されていたため、いわば家のために決めた結婚だったからだ。
理想の結婚相手をゲットするため、行動開始!
グランサム伯爵には3人の娘がいるが子息がいないため、後継者の権利がある親戚の弁護士マシューを屋敷に招く。グランサム伯爵は中流階級の庶民的なマシューとその母親イザベルに好感を抱くが、伯爵夫人コーラ、メアリー、先代グランサム伯爵未亡人バイオレットは貴族としてのプライド全開で冷ややかな態度を取る。
その理由は何よりも相続の問題が大きい。グランサム伯爵亡き後、法律上マシューが相続すれば、3人の娘には財産は分与されず、見知らぬ親戚に全財産を持っていかれる。最も望ましい形は、メアリーが裕福な貴族と結婚して、生まれてくる長男(男子を産むことが前提)に財産を相続させること。メアリーは自ら理想の相手をゲットするべく、積極的に行動を開始する。
奥の手は、マシューとメアリーが結婚することだが、この選択肢がまた、さまざまな問題を巻き起こすのだった。
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