ネットフリックス初のオリジナルドラマ
アメリカのTVドラマをめぐる事情は、ここ1~2年で目まぐるしく変化している。台風の目となっているのが、DVDレンタルからスタートしたインターネット配信サービスの大手ネットフリックス。同社が手掛けるオリジナルドラマ・シリーズの成功は、次々と異業種の参入を加速させている。
第13回は、ネットフリックス初のオリジナルドラマ・シリーズとして注目を集めている『ハウス・オブ・カード』(2013年~)を紹介する。米ワシントンを舞台に、ひとりの政治家の復讐と野心をサスペンスフルに描いた話題作だ。
民主党のベテラン下院議員フランシス(通称フランク)・アンダーウッド(ケヴィン・スペイシー)。選挙戦への貢献により、大統領候補ウォーカーが当選した暁には、国務長官の地位が約束されていた。
2013年1月、ウォーカーが当選してワシントンが興奮に包まれる中、フランクの約束はあっさりと反故にされてしまう。茫然となる夫に、 NPO法人「クリーンウォーター(CWI)」で代表を務める妻クレア(ロビン・ライト)は、「このまま引き下がるつもりなの?」と無言の圧力で夫の野心を鼓舞する。
米国下院の院内幹事として、政治の表にも裏にも通じるフランクは、表向きは裏切りの人事に笑顔で理解を示す態度を取りながら、復讐を決意する。
ターゲットは、ウォーカー大統領とマシューズ副大統領、そしてバスケス首席補佐官だ。彼らを追い落とすべく、フランクは議員スタッフのダグ(マイケル・ケリー)を腹心の部下として、狡猾で緻密な陰謀を慎重かつ非情に実行していく。
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