マイアミを舞台にした美容整形手術のリアル
男女を問わず、外見の重要度はますます増していると思われる昨今。就職活動やビジネスシーン、または婚活でも見た目の美しさや好感度を、大きなアドバンテージと考える人は多いはず。ただし、自分磨きに余念がないのはポジティブに感じられるが、もっとダイレクトにプラスティックサージェリー(美容整形)で見た目の美を追求するとなると、意見は分かれるところだろう。
第6回は、マイアミを舞台に美容整形手術のリアルと、業界の裏事情をセンセーショナルに描いた『NIP/TUCK-マイアミ整形外科医』を紹介する。
主人公は、40代の優秀な男性の整形外科医ショーン・マクナマラ(ディラン・ウォルシュ)とクリスチャン・トロイ(ジュリアン・マクマホン)。2人は大学時代からの親友同士で、マイアミで美容整形外科医院“マクナマラ/トロイ”を経営している。
学生結婚した愛妻ジュリア(ジョエリー・リチャードソン)との間に2人の子供に恵まれたショーンは、仕事熱心でまじめな性格。だが最近、家庭に不協和音が生じており、ミッドライフクライシスに直面している。
一方のクリスチャンは、グッドルッキングな独身貴族。夜遊びも女遊びも激しく、派手好きだが、医院の顔として営業には余念がなく(容姿のよさもフル活用)、根は優しく憎めない。ショーン一家とは家族のように仲がよいが、ショーンとジュリア、クリスチャンの関係はしだいに複雑な様相を呈していく。
ドラマは毎回、このクリニックを訪れる患者たちの事情とともに、ショーンとクリスチャンが抱える問題や人生に悩める姿を描き出す。
手術を受ける患者の心理が胸に刺さる
医院を訪れる患者たちの理由は、十人十色だ。ざっくり言えば、“今よりも美しくなりたい”には違いないが、冒頭でこのクリニックを訪れる患者たちが、なぜここに来たのか、なぜ手術を受けたいのかという理由が、エピソードごとにさまざまな問題提起を、ショーンとクリスチャン、そして視聴者に投げかける。これが、人間の深層心理を鋭くえぐり出す痛烈なアイロニーで、毎回、グサリと胸に突き刺さる。
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