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浜ホト、超難関"核融合発電"に挑み続ける 高出力レーザーの実験施設に行ってみた

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  • 成毛 眞 元日本マイクロソフト社長、HONZ代表
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このカプセルの中に入れる重水素や三重水素について菅さんは「いつかは、隣にある浜名湖から採ったものを使いたい」という。重水素や三重水素は海水や淡水に多く含まれる。鰻だけでなく、核融合発電の燃料も浜名湖の名物となる日がやってくるかもしれない。

しかし、その日の到来がいつになるかはわからないそうだ。浜ホトでは当面、利得1を目指して実験を重ねる予定だという。

「利得1ということは先のNIFの利得3に比べて3分の1か」とがっくりする必要はない。NIFの発表した数字にはからくりがあるのだ。燃料にぶつける光をつくるためにどれだけたくさんの電気エネルギーを使ったかはカウントしていないのだ。ここまで考慮すると、NIFで得られた実際の利得は1万分の1程度に落ちる。つまり、得られるエネルギーは増えるどころか激減している。

その大きな理由は、固体レーザーにエネルギーを与える源がフラッシュランプであること。フラッシュランプは半導体レーザーに比べ、使う電力に対して得られる光のエネルギーの割合が低く、1万のエネルギーを使っても1のエネルギーを得るのが精一杯だ。やはりまだまだ補助輪が欠かせない。

大手がやっていないなら、やろう

核融合のためのレーザーシステムをコンパクトにする試みも進められている。将来、核融合発電プラントには、こうしたシステムが設置されることになるのだろうか

一方で、浜ホトは高効率で高出力の半導体レーザーを持っているので、効率の悪いフラッシュランプに頼る必要はない。現在、半導体レーザーを活かし、より強力な固体レーザーの開発を進めている。現行の1c㎡あたり1000兆ワットでもまだ十分に核融合を起こさせるにはパワーが足りていないので、まずはその1000倍近く強い光を得て、実験を行おうとしている。

そこでの目標が、利得1。とはいえ、この1という数字が得られても、核融合発電の実用化にはまだ時間がかかる。だからこそ、多くのメーカーは取り組んでこなかった。

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