「大銀行のトップ」になるのだけは勘弁
松本大 マネックス証券代表取締役社長CEOの好き嫌い(下)


※過去の対談はこちら:
「ゼロから始めて高回転」が好き
楠木:好き嫌いで言うと、東大には松本さんが嫌いなタイプが多いように思います。特に就職先についての考え方が「嫌だな」という人が、周囲には多くありませんでしたか?
松本:確かに就職先の選択は、僕とは違いました。しかし、考え方は違っても大学時代の仲間とはいまだに仲が良くて、毎年1回、30人ぐらいで集まります。確かに、昔はちょっとつまんないという気持ちはありました。入学前、僕は東大の法学部って不遜なやつが集まっていると思っていたんですよ。鼻持ちならないやつがいて楽しいかな、と思って行ったのに、案外、みんな鼻持ちなるいいやつで(笑)。そこはつまらなかったですね。
楠木:松本さんは外資系の証券会社という、日本の体制側でない集団に入ったわけです。そこにいる日本人は、特に当時は癖のある人が多かったと思いますが、その中でこういう人が好きだとか、嫌だなというのはありましたか?
松本:日本人でも外国人でも、政治的な駆け引きをする人は嫌いです。既存のポジションをめぐっていす取りゲームをする人より、自分で場所をつくって稼いじゃう人が好きだし、力があると思いましたね。たとえばセールスの場合、取引関係が構築できていて金額も大きいお客様を担当すれば、成績が上がるに決まっています。そうすると、客取りゲームになり、政治的駆け引きが始まるのです。