アンケート調査の結果を軸に、現場を通じて得られるIT就職の補足情報を追加すると、次のような考察となる。
・ただし、年齢制限(多くは20代、インフラエンジニアの場合資格を保有していれば35歳まで)もあり、限られた未経験枠を勝ち取るためには、事前学習によるアピール材料の確保が重要。
・学習する場合は、「書籍」が最も有効。Webサービス、プログラミングスクール、YouTubeといった学習ツールを補完的に使うこともおすすめ。
・エンジニア経験を積めば、平均年収を大きく超えることは可能であり、「稼げる」のは事実。
・ただし、初年度の年収は平均年収と比較しても突出して高いわけではない(経験が浅い状態で稼げるわけではないが、経験を積んでいけば確実に上昇)。
・リモートワークが普及していたり、フリーランスとして働いている人も多く、「自由な働き方ができる」のは事実。
・入社当初からリモートワークできる環境はまれ(入社後の定着やOJTを考慮するとリモートワークにもデメリットが)。
このように、働く人にとってメリットが多い「IT就職」ではあるが、どのように活動すれば就職できるのか? その人の経歴によって就職難易度も変わるため、成功方法を一概に提示することは難しいが、一般的な就職活動ノウハウを解説したい。
年齢やキャリアで狙う分野を絞る
IT就職と言ってもさまざまな職種がある。プログラマー、SE、Webエンジニア、インフラエンジニア、アプリ開発エンジニア。職種キーワードを挙げ出したらキリがない。
大きな分け方としては、その人の年齢、専攻分野によって分かれる。専攻分野というのは、「情報工学」や「IT」を大学や専門学校で専攻していたかどうかということだ。もちろんこのようなIT就職に関連した専攻を取っていれば就職率は高くなる。
年齢においては、次のような対応方針がおすすめだ。
20代後半:人気がある「Web系エンジニア」などは避け、就職倍率が低い分野に絞る(就職メリットがあっても目立たない分野を探す)。
30代前半:専門資格を取得して「インフラエンジニア」に絞る
30代後半以降:書類選考通過率がかなり低いので、年齢制限がない「ITエンジニア」全般に応募する(分野をあえて絞らない)。
就職を目指す求人分野が決まったら、次にやることは事前学習だ。事前学習を行う目的は、「選考時のアピール材料を作る」「最低限の職業適性チェックをする」ことだ。
選考において、未経験者がアピールできる材料は限られる。「実務経験」がない分、ポテンシャルで判断されてしまうため、「学歴」「年齢」「コミュニケーション能力」といった要素で判断されてしまう。しかし、これらの評価要素は努力で変えることが難しいため、事前学習を行うことで「専門知識(入社後の教育コストを削減できる)」をアピールすることが有効な手段となりうる。
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