一方、学習方法として「プログラミングスクール(11.8%)」と回答した人は、思ったより少ない印象だ。エンジニア経験5~10年の方の場合、当時はプログラミングスクール自体がまだ少なかったこともあるが、スクールを利用した就職率がそこまで高くない可能性もある(未経験者が就職しづらい分野の学習コースが巷には多く存在している)。
次に、IT就職を目指す人にとって最も気になる「年収」はどうだろうか? 結論から言うと、ITエンジニアが「稼げる」というのは、事実だ。
調査対象者のほとんどがエンジニア歴5~10年以上とはいえ、3分の2が年収450万円以上稼ぎ、750万円以上と回答した人が、全体の約3割もいる。
ただし、ITエンジニアが就職した当初から高年収だったかというと、そうでもない。エンジニアとなった初年度の年収は、「250~350万円(34.4%)」が最も多く、次に多いのは「350~450万円(31.1%)」となった。最初から稼げるわけではないが、年収は着実に上がり、5~10年で平均年収を超えることは十分可能だと言える。
リモートワークが「できる」労働環境
最後に「自由な働き方」というイメージについて検証してみる。「自由な働き方」が指す働き方は多岐にわたるが、ここでは求職者が「自由な働き方」を希望する場合に最も該当することが多い「リモートワーク」について考える。
ITエンジニアと言えば、たしかにリモートワークで働いている人が多い。アンケート結果を見ても、「フルリモートで働いている」と回答した人は71.6%を占めており、「部分的なリモート」まで含めると実に90%以上に達する。
しかし、現場で就業支援をしていると、この調査結果と実態は異なる。未経験者として入社した場合、業務レベルが低いため、出社勤務で働くケースが大半を占める。
また、未経験者を新人として受け入れる場合、教育が必要となる。座学での研修もあるが、社員育成のほとんどはOJT(On-the-Job Training、現場での実務訓練)となる。その場合、教育担当社員とコミュニケーションが取りやすい環境で働いてもらうほうが効果的なため、自ずと出社となるケースが多くなる。
ちなみに、昨年のコロナ禍では感染対策が十分取れない状況から、新入社員でもフルリモートで働いている人が多くいた。しかしフルリモートでは、質問がなかなかできず、上司や先輩のフォローも不十分となってしまったことから、短期離職となるケースも見られた。一概に最初からリモートで働くことがよいとは言えない側面もある。
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