すぐ「おなかが痛い」と小2娘が訴える本当の理由 児童精神科医が子育てに悩む親へ伝えたいこと

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この方は「幼かった時期に入退院を繰り返した」と書いていらっしゃいます。もしも愛着関係がうまくいっていないのではないかと思い当たるなら、それをつくり直す努力をなさってみてください。お子さんの体調不良は、お母さんに原因があるわけではないと思いますが、お母さんとの関係の中で癒やされて、エネルギーを満タンにすることができれば、学校での人間関係に自分から向き合う力がわいてくるのではないでしょうか。

ぜひやってほしいのは、子どもの話を聞いてあげることです。長時間でなくていいし、忙しければ食事のしたくをしながら聞くのでもいいのです。イライラせず、怒らず、穏やかに、うなずいて聞いてください。それだけでお母さんの愛情は確かに伝わります。そんなふうに話を聞いてくれる人は、世界中にお母さんだけなのですから。

お母さんが聞きたい話を聞くのではありませんよ。妹とケンカしたとか、「お母さんはわたしのことなんてどうでもいいんだ!」とか、そんなことも全部聞くのです。もちろん、要求をすべて聞き入れるという意味ではありません。まちがった意見であれば「そうではないと思うよ」と言っていいのです。ただし、穏やかに言うのです。怒ったり、拒絶したりしてはいけません。激しく泣いて訴えているのは、「普通に言ったのでは聞き入れてもらえない」とお子さんが思っているからでしょう。「怒られない」「ちゃんと受け止めてもらえる」と信じられるようになれば、泣かずに言うようになります。

それでも泣き止まないときは

ギャーギャー泣くときは、抱きしめてあげるといいですね。子どもは暴れて振り払おうとしますが、それができないくらい強く抱きしめるのです。「大好きだよ、大事だよ」と言い、「だから○○してね」は言わないのです。

「足が痛い」と言うならば、痛む部分をやさしくさすってあげてください。お母さんのそばでやすらいだ気持ちになれば、痛いと言う回数は減ってくるかもしれません。

いっぺんにはできないかもしれません。でも、昨日より今日が、今日より明日が、少しでも進歩していればいいのです。ときに後退することがあってもいい。ほんの少しでも、いい方向に進んでいると実感できれば、子どもの目はどんどん輝いていきます。幼いころのことは、気にする必要などありません。子どもは「いま」だけが大事なのです。どうぞ、いますぐに始めてみてください。

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