すぐ「おなかが痛い」と小2娘が訴える本当の理由 児童精神科医が子育てに悩む親へ伝えたいこと
相談2:「ごめんなさい」を無理やり言わせる夫
(3才男の子の母)
わたしの夫は子煩悩で、子育てに積極的に関わってくれています。でも、息子が赤ちゃんではなくなったころから、父と子で衝突することが増えてきました。なかでも「しつけ」の場面でぶつかります。
人に何かをしてもらったり、物をもらったときには「ありがとう」、人を痛い目にあわせたり、ルールを守れなかったら「ごめんなさい」。この2つの言葉がきちんと言える人になってほしいというのは夫婦共通の思いですが、息子は「ごめんなさい」がなかなか言えません。何度も説明して、息子の口から「ごめんなさい」が出てくるのを待つようにしているのですが、大泣きしている息子に対して、夫は「ごめんなさいが言えない子とはもう遊ばないよ」「謝るまでおやつはおあずけ」などと、追い詰めるような言葉を投げつけます。言いすぎのようにも思いますが、「ごめんなさい」を言える子になってほしい思いは、わたしにもあるので迷います。
佐々木先生のアドバイス
「ありがとう」と「ごめんなさい」は、人間関係をつくるうえで非常に大切な言葉だと、わたしも思います。その言葉を適切に使える子に育てたいと思うお父さんの子育て方針にも同感です。しかし、無理やり言わせることと、素直に言えるように育てることは、少し違うと思うのですが、いかがでしょうか。大事なことは、自然に口をつくようになることです。
赤ちゃんや子どもは、周囲の大人が使う言葉を聞いて、まねをして、少しずつ言葉を覚えていきます。覚えた言葉をどんな場面でどのように使うかということも、大人の使い方を聞いて学ぶのです。お子さんはまだ3才ですから、よく話すようになったとはいえ、言葉の学習の真っ最中でしょう。
お子さんにとって重要なのは、家庭での普段の会話です。お父さんとお母さんは「ありがとう」と「ごめんなさい」を頻繁に使っていますか?
「ありがとう」は言っているかもしれませんが、「ごめんなさい」のない家庭は多いものです。もしかしたら、家の中で「ごめんなさい」を口にしているのは、この子だけなのかもしれません。だから、謝ることに抵抗や屈辱を感じているのかもしれませんよ。
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