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第2回 謝罪会見で絶対にやってはいけないこととは? 広報の素人である社長が取り仕切る謝罪会見は地獄と化す

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管理職の皆さん、「攻めの広報」を学んでいきましょう【隔週土曜掲載】

第1回は「経営者は、どうして広報の役割を勘違いするのか」というお話をしました。それに続く第2回は、「謝罪会見で気をつけるべきこと」についてご説明します。

ここ数年、組織の不祥事に関するニュースが目につくようになりました。メーカー、テレビ局、大学、芸能事務所。特に数を数えたわけではありませんが、数が増えているというよりも、一件一件がインパクトの大きい事案になっているという印象です。

10時間以上にもわたる記者会見、飛び交う怒号。何を質問されても回答者は「現時点ではお答えできません」の一点張り、挙句は二度三度繰り返される会見のたびに企業側から新たな事実が次々と発覚する。広報の視点からみて「地獄絵巻」とはこのことではないかと、連日テレビのニュースをみては背筋が凍る思いをしています。

SNSの発展で広報対応が非常に難しい時代に

こうした事象を冷静に見ると、これはもはや会見の詳細な中身とは関係なく、「謝罪会見」という新しいニュースジャンルが生まれたようにも思えてきます。会見そのものの巧拙によって、ニュースがさらに大きなニュースを生み出してしまうのがここ最近の傾向と言えるでしょう。

これにはSNSによってネガティブな消費者の声が可視化されやすくなっていること、それをよいことに動画配信などで「煽る」人が出現したことが関係しているのは間違いないでしょう。

しかも「キャンセルカルチャー」と呼ばれる一度不祥事をやった個人や組織を徹底して排除しようという風潮もあり、広報対応の失敗はそのまま社会的な死につながっていく危険もあります。

10時間以上にもわたる記者会見に関して誤解なきようにお願いしたいのは、筆者には「あの場を自分に任せてくれれば完璧に切り抜けてみせる」と言い切れる自信はないということです。私の尊敬する広報のプロたちも、あの地獄絵巻と化した会見を見て、「あそこまで混乱した事案の会見は誰の手にも負えない」と口を揃えて言います。

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