第1回 経営者はどうして広報の役割を勘違いするのか、「広報はタダでできる広告でしょ」という認識が判断をバグらせる

ここ数年、企業経営を揺るがすような不祥事のニュースを多く目にするようになったように思います。その中には起こした不祥事の内容もさることながら、その後の対外コミュニーケーション、要は広報対応を誤り、かえって批判を強めてしまったケースも見受けられました。
このような危機対応広報だけでなく、近年「広報・PRの重要性が増している」という言葉をよく耳にするようになりました。とはいえ、なぜこの弱小の間接部門が重要とされるのか、ピンときていない経営者、マネージメントの方も少なくないと思います。さらに言うと皆さんご自身の会社の広報部が日頃何を考えているのか実はあまり関心を払っていなかった方も多いのではないでしょうか。
アップル、レノボ、そしてアドビ。筆者はテック業界でかれこれ20年以上、広報をやってきました。その間多くの経営の重要局面に広報という立場で関わってきて、企業内での広報の役割の変化を現在進行形で実感もしています。
また幸いなことに私の周囲には同じ広報を専門職とする仲間が多数いて、そうした方からも興味深い話をたくさんいただいています。そこで、東洋経済オンラインにて「なぜ広報が重要になったのか」「なぜ今なのか」について、現職の広報の筆者が考える「経営のための広報」について連載することになりました。隔週土曜日に短期集中で連載します。どうぞお付き合いください。
広報とは「タダでできる広告」?
そもそも広報とは何をするための部署でしょうか。連載第1回では、経営者が陥りがちな広報への間違った理解、さらには広報を活用しきれていない例について説明します。
よくある疑問として、同じような会社の対外コミュニケーションを担う「広告」とはどう違うのでしょうか。
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