第2次安倍内閣の経済状況は正念場
さる8月28日、東京の丸善・丸の内本店にて、本連載筆者3人の共著である「ヤバい日本経済」(東洋経済新報社)の発売を記念した、トークイベントがあった。
「石破の乱」が不発弾気味に沈静化された後でもあり、大きな目玉があったわけではない。だが、「石破氏がだらしがなかった」とひとくさり話題になった後に、翌週の組閣の予想話に花が咲いた。かんべえ氏(吉崎達彦・双日総研副社長)が経産相での入閣を予想した高市早苗氏は総務省だったが(予想としては複勝的中くらいの感じだ)、「女性枠は5人」の予想はピタリだった。
経済については、消費増税の悪影響を指摘したぐっちー(山口正洋)氏の舌鋒がひときわ鋭かったが、4~6月期のGDPは年率マイナス6.8%から同7.1%へと下方修正が発表された。
さて、支持率を少し上げてスタートした第2次安倍内閣だが、経済状況は正念場に差し掛かっている。本連載でも書いたように、筆者は、消費税率10%への引き上げ1年先送りを「前倒しで」サプライズを伴って発表するのが、安倍内閣の経済政策としてはベストだと考えている。
残念ながらそのようにはなるまい。周囲の官僚は安倍首相を牽制していようし、デフレ脱却を目指すはずの黒田日銀総裁までが、「心の本籍地」が財務省にあるのか、消費税率引き上げを実行すべきだと述べている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら