前回のコラム「やっぱり、アベノミクスは蜃気楼?」でも書きましたし、著書でも指摘している通り、ワタクシは「消費税の影響がない」なんていうのは、欺瞞以外の何物でもないと考えています。GDPの60%を消費が占めているのに、財務官僚の言うがままに「影響がない」と言い続ける政治家は算数もできないのか、と思わざるを得ません。
安倍政権は、実は消費増税を深刻視している
前回のお話に加えて、今度は4~6月期のGDPがついにマイナス6.8%(年率)となり、これも震災のあった2011年1~3月期に匹敵する数字となり、これにはさすがの官制エコノミストも声を失いました。それでも「7~9月期は、消費税の反動減で景気は上向く」などとコメントしている人がいるので、言葉を失います。一体なんの根拠があって、そんなことが言えるのでしょう?
白物家電の国内総売り上げは、前年同月比でマイナス15.9%です。天候の影響だとか新聞には書かれているのですが、一体どんな天候が影響したと言うのでしょうか?相変わらず熱中症になるほどの暑さが続いていたわけですから、何を持って天候要因と言っているのか意味不明です。ちなみに、この15%以上の下げ幅は2年8か月ぶりなのです。
年末にかけては、2015年10月の消費税増税が視野に入り、経営者はそれを踏まえて経営戦略を練るので、設備投資など増やすはずがないのです。唯一公共投資だけは相変わらずばらまきが続きそうですが、それにしても効果のほどはこれまでと同様、それほど大きなものにはなりませんし、大体この期に及んで公共投資をばらまいている時点で消費増税の影響が実は大きいことを本人たちは認識している、と考えざるを得ません。
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