本連載全体を通して、また先般出版された連載3筆者の鼎談をまとめた「ヤバい日本経済」にあって、3人の、読者に対して実用的な情報を提供したいという親切心というか、お節介の心は一貫している。「ヤバい日本経済」は、5章構成だが、最後の第5章は、「マネー編」であり、「自宅を持っている人は インフレヘッジの必要なし」というタイトルが付いている。同書は、この章に限らず、読者にとって「実用書」であることを意図している。
個人のマネー運用について、「ヤバい日本経済」で対談の時期の問題もあって、十分に触れられなかったことを一つ補足しよう。
株価のPKOの影響は8月下旬から?
以前、本欄でも触れているように、アベノミクスの「次の一手」は、GPIFが管理する公的年金積立金を使った「株価のPKO」(Price Keeping Operation)になりそうだ。政策としての善し悪しは、総合的に「悪し!」なのだが、数兆円単位の資金が日本株買いに回ることが予想され、株価に対する短期的な影響は「ある」可能性が大きい。
問題は、それが影響として表れる時期なのだが、ズバリ言うなら8月下旬くらいからではないか。
「GPIFの買い」が実際に表れるのは、新しい基本ポートフォリオを含む運用計画が発表され、承認されてからということであり、その発表は今のところ9月くらいと予想されている。
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