「ヤバい日本株」で儲けるための3原則とは? 「株価のPKO」の影響が出るのはいつか

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競馬予想におけるペース判断と同じで、「ハイ・ペースの前崩れが必至!」と思ったレースが、案外スローになって前残りの競馬になる、というようなことが十分あり得るのだが、馬券を買う上でレースのペースを読まないわけにはいかないので、ご参考とされたい。

需給相場との上手な付き合い方とは?

「○○○が買い(売り)に動くだろう…」という「需給」を相場の材料として意識するのは、再び競馬でいうと、特定の馬や騎手が今回は「ヤリ」あるいは「ヤラズ」だと決めて予想するような「邪道」であり、筆者の嫌うところである(大まかな感じとして、チャート分析と同じくらい「下らない!」と思っている)。

しかし、今回は、相手(GPIFの資金)が些か大きいので、敢えて、気にしてみることにした。過去の経験を振り返ると、GPIFがまだ年金福祉事業団(通称「年福」)と称していた1990年代の「公的資金の買い」は、毎年の金額にして2兆円前後のものだったが、買いが入る春先に株価を上げて、買いが尽きる6月くらいには株価がヘタる、といった影響パターンを繰り返した。今回、予想される「GPIF版株価PKO」の規模は、これよりもかなり大きい。

ただし、投資を考える上での「需給論」に対する基本原則は、変わるものではない。3原則でまとめると、以下の通りだ。
(原則1)需給をアテにして新たなポジションを作らない。
(原則2)需給で動いた株価が利用出来る場合は有効に利用する。
(原則3)需給で動いた相場の後追いはしない。
 需給は、直接的に相場に効く材料なので、ついこれに賭けて一儲けしたくなるのだが、相手も市場参加者であり、しばしば気まぐれだし、需給以外に相場に影響するファクターもある。株式運用の材料と時間感覚で考えるなら、需給は新たなポジションを取るに足る材料ではない。

とはいえ、明白に需給で動いた株価が好都合なものである時は、これが情報を判断した売り買いでない可能性が大きいので、利食いなり(高い場合)、仕込みなり(安い場合)に、利用することを考えていい。「賢くないカネの動きの逆を考えてみよ」というのは、相場的な発想法として一つのセオリーだ。

しかし、仮に需給の動きと影響を予想していて、現実に市場がそのように動いた場合、つい後追いしたくなるものだが、そこは我慢する方がいい(原則1の念押しである)。相手がどんなにバカでも、市場参加者は意思を持った主体なので、先の動きを確定してものと読んで、それに賭けるのは危ない。相手が、GPIFであっても、この原則は変わらない。

あえて理想的な流れを夢想すると、読者が通常よりも「買い」気味の投資ポジションを既にお持ちで、これが8月下旬くらいから値上がりして利益を積み増していくなかで、読者は自らの投資ポジションを冷静に「中立」くらいに戻して様子を見る、というような展開だ。

読者のポートフォリオのご幸運を祈る!

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